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種類:特殊潜航艇 スペック 雷装:+12 装備可能艦種 駆逐 軽巡 重巡 戦艦 軽母 空母 水母 航戦 雷巡 航巡 潜水 潜母 ゲーム内情報 史実情報 コメント タグクラウド 関連ページ autolink ゲーム内情報 図鑑紹介 独自開発された「特殊潜航艇」です。 軽巡洋艦や甲標的母艦に改装した水上機母艦、そして潜水艦が 搭載して運用します。 二発の魚雷を装備し、敵艦に肉薄して雷撃、艦隊決戦を補助す る特殊兵器です。 サービス開始当初は雷撃値を大幅に上げるだけのアイテムの一つであり、重要性はそれほど大きくなかった。 転機が訪れたのは7月のメンテナンスにより、重雷装艦・潜水艦へ搭載した場合に『開幕雷撃』が可能となったことである。 特に重雷装艦は甲標的を搭載しないと開幕雷撃が不可能であり、甲標的は重雷装艦最強伝説に欠かせない武装となった。 史実情報 日本海軍が開発した特種潜航艇。 巡航潜水艦や専用母艦などから発進し、艦隊決戦での敵艦隊への先制攻撃を行うことが主目的であった。 ロンドン軍縮条約締結にて米国艦隊と日本艦隊の戦力差は大きく開くばかりとなり、これを打開するため日本海軍艦政本部は漸減要撃作戦用の新兵器を開発することとする。 当初の案は「魚雷に人間が搭乗し、肉薄攻撃を行う」という後の『回天』そのものであったが、戦前の日本海軍ではまだこの手の兵器を否定できるだけの余裕があったために、この提案は却下となった。 其の結果1939年7月に生まれたのが超小型潜航艇『甲標的 甲型』である。 『甲標的 甲型』は45cm魚雷二本を艦首に搭載した23mほどの小型潜航艇として仕上がった。 224個の蓄電池による電動推進、乗員は2名で、水中では最大で19ktの速力で活動が可能であった。 ただし元の案が「人間搭乗魚雷」だったことや、主任設計者が魚雷の権威であったこともあり、挙動は潜水艦というより魚雷に似ており、操縦性などが非常に劣悪な面もあった。 また航法的・条件的にも母艦による回収が非常に難しいという欠点もあった。 一応表向きは「対潜爆撃用標的」という名目で製造された『甲標的』は艦隊決戦での最終兵器として多数が製造され、専用母艦まで用意されるほどに海軍に期待されていた。 しかし山本五十六連合艦隊長官は旧来からの漸減要撃作戦に否定的で、漸減要撃作戦の権化たる『甲標的』は本来の任務とは全く異なる形で初陣へと望むこととなった。 それが真珠湾への甲標的による隠密攻撃である。 機動部隊の攻撃と合わせ、ハワイ近海に展開した巡潜型潜水艦5隻から出発した5杯の甲標的は、戦艦オクラホマとウェストバージニアの2隻を雷撃。このうち米サイドはオクラホマを転覆させる決定打を与えたとしている。 しかし5杯の甲標的はこれを発見したアメリカ海軍により攻撃される。 この結果5杯のうち4杯は撃沈、1杯は自沈する。搭乗者のうち9人は戦死、1人は太平洋戦争による日本軍の捕虜第一号となったのであった。 戦死者9人は本国で『九軍神』として祀られた。 この後も『甲標的』は緒戦でシドニー港やマダガスカル港への潜入任務を行い、前者では豪海軍の宿泊艦クッタブル、後者の出撃では英戦艦ラミリーズを大破させ、タンカーを撃沈するに至った。 本来の用途とは異なる方向での発展となったが、徐々に改良され、ガダルカナル島やフィリピン戦域、での戦闘にも参加したのであった。 ただし、甲標的の操縦性・運用性の悪さは指摘されており、それが結果的に甲標的乗員が『回天』開発を提案するにいたる理由となった。 とは言え、その海中での高速性能の高さは、後に開発された第71号艦や伊201型などの高速潜水艦の礎となった。 なお、艦これに登場するのは初期型の『甲型』であり、改良型に充電設備を備えた乙型、少々大型化した丙型、エンジンによる通常航行を行える丁型「蛟龍」などが存在した。 艦隊決戦用兵器→敵母港襲撃用兵器→局地防衛用兵器と次々とその用途が変遷する、数奇な兵器であったとも言える。 コメント 最新の30コメントを表示しています。 史実情報など加えてみましたが、正直あまり文が良くない気がするので、随時訂正お願いします。 -- (名無しさん) 2014-01-11 18 33 10 名前 コメント すべてのコメントを見る タグクラウド 艦娘 駆逐艦 軽巡洋艦 重巡洋艦 戦艦 装備娘 軽空母 睦月型 建造 潜水艦 朝潮型 球磨型 長良型 正規空母 特型駆逐艦 開発 千歳型 妙高型 暁型 川内型 吹雪型 高雄型 最上型 金剛型 伊勢型 白露型 小口径主砲 大和型 阿賀野型 陽炎型 航空戦艦 翔鶴型 祥鳳型 期間限定海域 装備 天龍型 利根型 飛鷹型 青葉型 大口径主砲 水上機母艦 扶桑型 応急修理要員 長門型 古鷹型 艦上戦闘機 間違った報告を入力したので消去 巡潜3型 任務 遠征 イオナ 綾波型 霧 三式潜航輸送艇 巡潜乙型 家具 ぷらずま 海大Ⅵ型a 巡潜乙型改2 島風型 魚雷 天城型 夕張型 中口径主砲 誤ったコメ投稿をしたため削除 関連ページ データ_装備 艦娘データ/初期装備 装備/一覧 ▼wikiレンタル代価広告
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429 :名無しさん:2014/06/12(木) 23 40 04 ID G8Hxn9jI 「スケベしようや」 鏡に向かって呟く。なんかちゃうな。 「提督の事、ずっと好きやった」 普通やな、おもろない。 「好きって言ってって言ってや」 なんやこれ。重いやろ 「夜戦せえへんか」 川内かいな。ちゃうやろ、もっとウチらしく。 せや、これならどうや? 「ウチの胸、大きくしてや……なんちゃって」 この後、素でなんちゃってと言った事に落ち込んだ軽空母は1日以上ドックに立てこもったそうな。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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574 :名無しの紳士提督:2015/01/01(木) 00 06 21 ID JVCB8H3c あけおめこ とよろ 姫はじめって聞くとイベント海域ぽくて不穏だけど鶴はめでたいからいいよね 1月1日 元旦朝 鎮守府の年明けは静かなものだ。 「「明けましておめでとうございます」」 提督の小さな部屋で互いに挨拶を交わす提督と翔鶴。 正月といっても特に何かある訳でもなく、挨拶を交わす以外には正月らしい点は今のところない。 しかし鎮守府内は正月らしい静けさがあった。 戦艦組は昨日の夜から臨時任務に就いている。 といっても戦闘海域にいるのではなく、近所の神社へ駆り出されているのだ。 神社にとっては一大イベントである初詣に備え、臨時の巫女として戦艦組、中でも普段からそれらしい格好で知られる金剛型、扶桑型、伊勢型に白羽の矢が立つのが最近の年末年始の恒例行事となっていた。 特に伊勢型はその名前から神社から有難がられ、毎年引っ張りだこだ。 これらは名目上ボランティアとなっているが、実際には謝礼やご祝儀という形で彼女達の臨時収入となり、お神酒やおせちが振る舞われたりする。 神社や町内会の方々も彼女らの立場を知っているので、おせちは包んでくれるケースが多く、鎮守府のおせちとして流用される。 また、もらったご祝儀は当然ながら彼女達の懐に入る訳だが、そのうち半分ぐらいは鎮守府で景気よく振る舞っている。 このため鎮守府では、戦艦組の帰還をもってようやく正月らしくなる。 他にも、秋雲と夕張は十二月に入ってからはイベントに向けて常在戦場の様を呈しており、その修羅場後に休む間もなく大掃除に駆り出されるため、今頃は夢の中だ。 「80センチ六五口径三連装砲ちゃんが見える」等のうわ言を言うぐらい疲れていたようなので、多分何があっても起きないだろう。 那珂は正月にイベントがあるため、昨日の夜からいない。 他の連中も大掃除後の忘年会で羽目を外してぐっすりというのが定番で、特に人手不足になる戦艦正月残留組やその不足を補う重巡組、 正・軽空母組は年末のあらゆる分野において主戦力であるため、正月はのんびりするのがおなじみになっていた。 残りは提督と翔鶴のように正月待機任務組であるため、暇なとき―ほぼ全てなので気が向いた時に初詣に行くぐらいが精々だろう。 このため、正月ムードは夜から始まると言え、朝方は年始の挨拶を交わす程度しかない。挨拶は実際大事。古事記にもそう書いてある。 575 :名無しの紳士提督:2015/01/01(木) 00 09 37 ID JVCB8H3c 「今年も寝正月だな」 「ゆっくりできて、私は好きですよ」 二人でこたつに入りながら、翔鶴の淹れたお茶をすする。 寝正月と言う程だらだら過ごすという訳でもないのだが、普段に比べればほぼ開店休業状態だ。 事実、翔鶴も普段の胴鎧と籠手を外している。 「そうだな。正月ぐらい平和でいい」 「ええ、本当に」 そう言ってお互い微笑を浮かべ、しばし取り留めのない話をしながら、暇つぶしにテレビをつけて正月番組を見るでもなく見る。 「さあ続いては、今売出し中のこのコンビが登場です!張り切ってどうぞ!!」 司会者が陽気にコールすると、出囃子と共に舞台に女性二人組の漫才コンビが駆け上がる。 「はいどーも!大和です!」 「武蔵です!」 「「二人合わせて播磨です!よろしくお願いしまーす!」」 「ぶふっ!?」 提督がお茶を噴き出し、テレビに釘付けになる。 画面の中で軽快なトークと鋭い突っ込みで笑いを生み出しているのはまごうことなく大和と武蔵だ。 (いやいや待て待てあれはうちの連中じゃないそうだそうだそのはずだそうに違いない だって俺の知っている大和はあんな舞台に上ったら緊張のあまりまともに話せないだろうし 武蔵のあんな笑顔は見たことないしきっとどこか別の艦隊の大和と武蔵だそうに違いない) しかし提督自身、その思い込みが無茶であるというのは分かっている。 提督という生き物は付き合いが長い艦娘であれば、自分のところの娘をその仕草や様子から見分けることができる。 その提督の眼からして、今画面の中で「名前だけでも覚えて帰ってくださいねー」とか言ってるのは確実に彼の艦隊の大和と武蔵だ。 「あー完全にうちのだこれ」 神社に駆り出された訳でもないのにいない理由が今になって分かった。 「すごいですね二人とも。新年を機に新しい事へ挑戦したんですね」 (いや正月番組に出られるんだから去年からそれなりにやってたんだろう) 自分の左斜め前、何故か畏敬の念を持って二人を見ている翔鶴にそんな事を考える提督。 「まあ、新しいことに挑戦するのはいい事だな」 驚きから立ち直った提督はそう呟く。 そのとき不意に、こたつの下に忍ばせ、床につけていた提督の左手が、同じような体勢でいた翔鶴の右手の指先に触れる。 一瞬、びくりと指を動かした翔鶴だが、そこでふと思った。 576 :名無しの紳士提督:2015/01/01(木) 00 12 41 ID JVCB8H3c 「……よし」 何かを決心したような翔鶴の呟きは、提督には聞こえなかった。 二人の間柄は鎮守府の中にあって公然の秘密ではあったが、当の本人にそれを一歩進めることができないでいる。 翔鶴の白い指が、恐る恐る提督の指に近づき、やがて触れる。 「おっ」 指先の感覚に気付いた提督がその手の主の方を見ると、彼女は指の動きと同様にもじもじしながら、薄化粧の顔を紅潮させ、 目をこたつの上の蜜柑に落としたり、触れている手の方にやってすぐ戻したりしながら、時折恥ずかしそうな上目遣いで提督の方を見る。 「わ、私も今年は…、積極的になれるように挑戦してみようかな……なんて」 直後、一瞬の沈黙。 テレビの音だけが部屋に響く。 音のないままぐっと提督の手に力が入りそして、 「きゃっ、ていと―」 翔鶴の手を引き寄せ口で口を塞いだ。 「ん……っ、んん……」 提督の舌が翔鶴のそれと絡み合い、それとシンクロするように互いの背中に廻された腕も、しっかりと力が入る。 「はぁ……。提督…ひゃん!」 熱っぽく潤んだ翔鶴の瞳から一瞬提督が消え、直後その舌が翔鶴の首筋を舐め上げる。 「ひゃひ!て、提ふひゃあ!はぁ、はぁ、ひゃん!」 提督の舌は翔鶴の敏感な首筋を愛撫し、位置的に顔に近づいている鼻から流れ込む彼女の微かに甘い香りを味わっている。 「ふひゃ!あっ、ああっ!!」 舌が動く度に翔鶴の体がビクビクと震え、その度に彼女の体が雌のそれへと変わっていく。 シュルシュルという衣擦れの音が、翔鶴の喘ぎにかき消され、ずり下された袴と下着がこたつの中へ沈む。 577 :名無しの紳士提督:2015/01/01(木) 00 14 54 ID JVCB8H3c しっかりと強張りのとれた翔鶴の中へ、提督の一物が滑り込んでいく。 「あっ、あぁっ!」 少し進むごとに翔鶴の嬌声が上がり、火照った体は更に提督を求める。 「あひっ!あぁ、ああぁっ!」 一物をしっかりと銜え込んだ翔鶴は、最深に到達したそれが動く度、ビクンビクンと体が波を打つ。 「ひっ、あっ、あっ、あああああっー!!」 一際大きく上がった嬌声と共に、翔鶴の体がびくりと大きく震え、白銀の長い髪を広げて力尽きたようにぐったりと動かなくなった。 やがて、力の入らない翔鶴を提督が優しく抱き起こし、腕に掻き抱いたまま再び口づけを交わす。 口が離れた後も暫くそのまま見つめ合っていた二人だったが、不意に提督が翔鶴を楽な姿勢で座らせ、自身は部屋の隅に置かれた小さな金庫に向かう。 「新しいことへの挑戦か……」 そんな独り言を言いながら服の乱れを正している翔鶴の前に再び座り込む。 「なら俺もそうしよう。翔鶴」 「はい」 提督の改まった雰囲気に思わず自分も座りなおす翔鶴。 「……結婚しよう」 金庫に保管されていた指輪が差し出された。 翔鶴は目を見開き、両手で口元を覆い、耳の先まで真っ赤になって硬直している。 再び一瞬の沈黙。 テレビの音だけが部屋に響く。 「……はい」 幸福がこの上なく大きい場合には微笑と涙が生まれると昔の偉い人が言ったそうだが、だとすれば翔鶴は今この上なく幸福なのだろう。 つけっぱなしのテレビから、今日何度目か分からない「おめでとうございます」が聞こえてきた。 終 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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テスト テスト
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前回の話 「……!」 水平線の向こうから幾つかの影が近づいてきた。 しかし、自分の心中は平穏ではなく、 夜空のかけた満月が運命を大きく捻じ曲げたと思わせる程度には不気味で脅威な存在に見える。 「提督、艦隊が帰投しました……」 岸壁に上陸した艦隊のうちの扶桑が報告に上がる。 しかし、扶桑は旗艦ではない。 では何故随伴艦の扶桑が報告に出ているのか。 何故今にも泣き出しそうな程に顔を歪めて低い声で報告しているのか。 敵艦隊撃退に成功したにも関わらず、何故他の随伴艦も一様に目を逸らしているのか。 何故なら。 「なお、旗艦山城の行方は未だ不明です……」 自分は、鉄の味がする程乾いた唇に歯を立てる。 海戦には勝利したが、ちっとも喜べなかった。 …………………… ………… …… 陰りない程燦々と海を照らしていた夕べの陽は、自分らを騙して悪夢の海に引き込もうと企てていたのだろうか。 何の罪もない筈の遥か遠くの恒星にさえこんな疑心を向けてしまう。 人間は兎角理由をでっち上げて何かに押し付けないと気が済まない生き物だ。 今の自分は冷静さを海の底へ沈めてしまっていた。 「何処へ行きやがったんだ、山城……!」 鎮守府庁舎の屋上で、自分は目の周りに痕ができる程双眼鏡を覗き込んでいた。 庁舎より低い背丈だが沿岸に建つ灯台も、山城へ母港の位置を示そうと忙しなく光の柱を回転させる。 闇の地平線に目を凝らしても、軍艦どころか貨客船一隻見当たらない。 「提督、お体に障ります……」 背後から扶桑の声が聞こえた。 いつの間に屋上に来ていたのか。気配に気付けなかった。 しかし気に留めない。 自分は双眼鏡を通して水平線を睨み付ける。 「提督、もう寝ましょう?」 「扶桑が先に寝ろ。私もそのうち寝る」 山城を大事にしている姉の扶桑が、今は鬱陶しかった。 誰かと話す気分ではない。 追い払う目的でそんな科白を吐き捨てる。 「…………」 扶桑は諦めたのか、何も言わなくなった。 下駄が小さく床を踏み鳴らす音の後、屋上の扉を閉める音が聞こえた。 …………………… ………… …… 次の日。 空腹感はあるのに食欲がないと言う経験を初めて味わった。 食事するのも億劫で、そんな時間も惜しい。 自分はスケジュールを乱し、真昼間にやっと起床した。 極最低限の書類執務だけ片付け、あとは手掛かりなく地平線を睨み付けるだけ。 出撃も演習も、建造も開発もさせず、遠征は前日行っていた指示を繰り返すだけ。 食事も間宮から押し付けられた握り飯を流し込むように食べただけ。 全てがどうでもよくなっていた。 陽が沈んでから海を見渡し続けても、目に映ったのは少しの艦娘の集団だけ。 あれは何処の鎮守府所属の艦だろうか。 嗚呼、数時間前に自分が送り出した遠征部隊だったか。 秘書艦扶桑に呼ばれて下に降りるまで分からなかった。 私の顔を見るなり艦らは異常なものでも見つけたようにぎょっとしていた。 よくやった。ではまた遠征に赴いてくれ。 気にせず空虚の労いの言葉を贈ったが、艦一同の表情は晴れない。 当然か。 遠征部隊の出港を見届けた後で扶桑に手鏡を見せられ、自分も驚いた。 開いていない程に細められた目の下には隈が出来ており、 その上から双眼鏡を押し付けた焼印のような痕がついていた。 おいおい、何て醜い顔を見せるんだ扶桑よ。 自分は逃げるように再び屋上に戻ったが、もう双眼鏡を手に取る気力さえ残っていない。 偶々ポケットに入っていた煙草に手を付ける。 煙草は双眼鏡と違って紙で出来ているから軽くて楽だなあ。 早速点火して煙を吸引してみると、思いのほか重かった。 肺に重くのしかかり頭がくらくらする。 でも構いやしない。 山城はもういないのだ。 あの日の夜戦で山城からの通信が途絶えた時、山城は命を散らしたに違いない。 扶桑が山城を"轟沈"ではなく"行方不明"と報告したのは、 沈んだ事も確認出来ない程文字通り木っ端微塵に散ったからだろう。 彼奴は姉と違って普段から"不幸"だの"欠陥"だのぼやいていたからなあ。 "口は災いの元"と言う諺を教えてやるべきだったか。 あの山城がいないのでは、自分も不思議と生きる気力が湧かない。 このまま呼吸不全で死んでしまってもいい。 自分はこの鎮守府の艦からは慕われている事もないから、困る奴もいない。 おや、いつの間にか携帯灰皿が臭い吸殻で満杯になっているではないか。 しかし喫煙はやめない。 今咥えている吸殻をほろりと落とし、そのまま箱に手を伸ばす。 吸う。落とす。吸う。落とすを繰り返す。 「提督!」 誰かが自分を呼ぶ声がした。 死神か。随分な重役出勤だな。 死神に体を揺さぶられる。 赤い目に黒髪、そこからそびえ立つ艦橋が目に映る。 ……山城? どうやら私の迎えを担当する死神は山城だったようだ。 死んだ山城が私を連れて行ってくれるのか。 「何を仰ってるんですか! お気を確かに!」 口に咥えていたものを奪われた。 何をするんだ、山、城……。 体を揺さぶられた事で限界が来たのか、遂に自分の意識は底なし沼へと堕ちてゆく。 山城、今行くからな……。 …………………… ………… …… 視界が黒で染まっている。 自分の後頭部が柔らかいものを感じている。 自分がいるのは天国か、地獄か? 判断がつかない。 そう言えばまだ走馬燈を見ていないな。 それならこの真っ暗闇を背景にぼんやりと流れる筈だ。さあ来い。 しかし待ち伏せても何も流れず、反して自分の意識が覚醒していく。 自分の視界も開けてゆく。 闇が真ん中から上下に向かって割れていき、ぼんやりと何かを映し出す。 「あ、提督……」 「……扶桑?」 長い黒髪を垂らして扶桑の赤い目が憂げに私を見下ろしていた。 頭と反して腰から下半身にかけては硬い感触がある。 ……扶桑に膝枕されているのか。 私はまだ死んでいなかったのだな。 扶桑は私の目覚めを確認してから夜空を見上げ、溜息をついた。 「月はあんなに綺麗なのに……」 それを聞いて私の鼓動は大きく跳ね上がった。 いやいや。 あれは山城とだけ決めた合言葉だ。それを知らない扶桑がそう言うつもりで言ったのではない。 それを知ってか知らずか、扶桑の口は小さく動く。 「提督。山城は沈んだと思いますか?」 分からない。 只さっきの自分はそう思っていた。 やけに乾いた唇を無理矢理動かしてその問に応える。 血が巡っていないかのように頭は働かず、思っている事をそのまま口にしたが、扶桑は平手を張る事もなかった。 「そうですよね……。煙草もあんなに吸っていましたし」 扶桑は少し顎を下ろして前方のある一点を見詰めた。 その方向に首を回すと、そこには煙草の吸殻が幾つも転がっていた。 あれは全部、私がやったのか。煙草一箱消費したのではないか。 ヘビースモーカーでない自分は只々驚く。 次に扶桑は私を見下ろした。 その顔には、まるで手のかかる子供を見る母親のような目が貼り付いていた。 「山城がちょっといなくなっただけでこんなになるなんて、提督は余程山城にご執心なのですね」 前まではその逆だったのに、とそのままの顔で言うが、遠回しに責められているように聞こえた。 それは、悪かったと思っている。 趣味ではなく大真面目な戦争だから仕方ないとは言え、大きな戦力を揃える事が急務だったあの頃は、 正直に言ってしまうと扶桑型より元々性能の高い戦艦の育成を最優先にしなければならなかったのだ。 只勘違いしないで欲しい。 お前ら扶桑型だって充分に活躍の場はあるのだ。 庁舎の部屋も限りがある故、全く使えないと判断していたらそもそも解体している。 「ありがとうございます。でも山城に向けているのは、そういったお考えだけではないのですよね?」 何が言いたい? 「提督は、山城に並々ならぬ好意を抱いていると思っているのですが、私の勘違い、でしょうか」 自分は、すぐには答えられない。 走馬燈のようにこれまでの事を鑑みる。 何時も不幸だのなんだの言っている山城。 姉だけにご執心と思いきや、重巡の前に出て敵の攻撃を受け止める山城。 自身の戦果を無邪気に姉に自慢する山城。 滅多にお目にかかれないが、姉と同じ位に慈しむ目を浮かべられる山城。 幸せを追いかけようと必死になるあまり、周りが見えなくなる山城。 そして、幸せを掴むのに何故か私に頼る山城。 自分は、そんな山城に愛らしさを感じていた。 扶桑。お前の目は確かだ。 私は山城に惹かれてしまっている。 「そうですよね。なら、信じましょう? 山城は、そのうち帰ってきます」 山城が敵の攻撃を貰ったところを見た筈なのに、山城は沈んでいないと信じる。 それは現実逃避ではないか? しかし扶桑の目に陰りや濁りは見受けられず、静かに強い意思を燃やす綺麗な紅の色をしている。 「逃避ではありません。分かりますか? ここ最近の山城ったら、楽しそうに"不幸だわ"って言うんですよ?」 分からない。 自分はそんな場面は見た事はない。 不幸を楽しむと言う感覚も理解出来ない。 そんな姿は扶桑の前でしか晒していないだけでは。 扶桑は首を振って私の言葉を否定する。 「そんな山城が呆気なく沈むとは思いません。山城は絶対に帰ってきます」 「…………」 「出撃する時、山城が約束したんですから、提督も信じて待ちましょう? 煙草の臭いが染み付いていては、山城も逃げてしまいます」 そうだった。 山城は約束したじゃないか。 必ず帰る、と。 山城は約束破りの常習者でもない。 あれだけ姉を慕っていた山城が姉を残して沈むか? いや、ない。 これらは精神論で物を言っていると言えばそれまでで、山城が生きている証拠はない。 それでも、己を見失わず妹の生還を祈る扶桑と話をして大分気分が軽くなったのは確かだ。 自分もまた、扶桑に倣ってみる事にしよう。 静かにそう心に刻み、まず散乱している煙草の吸殻を掻き集める事から行った。 …………………… ………… …… あれから気を持ち直し、扶桑を秘書にして私は日課を続けた。 執務を行い、演習を行い、出撃させる。 そこに山城の姿はなく、自分でも呆れる程に物足りなさ、寂しさを感じていた。 そしてその日課には、臨時として庁舎屋上からの海上偵察任務も加わっている。 それが三日は続いた。 その三日目の晩、双眼鏡にたった一つの影が映る。 薄気味悪い夜の海を一つだけの影が走っているのは何とも不気味だ。 只、それは走っていると言う表現がそぐわない動きをしていた。 あれは。もしや。 自分の胸は高鳴り、堪らず地上まで駆け降りる。 のろのろと蛇行しながらそれは、確かにこの鎮守府に向かっていた。 やがてそれは座礁した途端、力が抜けたように地面にへたり込んで呟く。 「山城、帰ってきました……」 嗚呼、これは夢ではなかろうか。 あるいは、此奴は成仏出来ていないだけの霊だろうか。 いや、ない。 傷一つない姿形をしていたらそうかもしれないが、 ぼろぼろずたずたの艤装と装甲を纏い、全身を煤で汚し、死にそうな声だがしぶとく生気を赤い目に滾らせている。 そんな酷い有様が、現実味を見事に演出していた。 「山城おおおお!!」 脇目も振らず全速力で山城の元へ駆け寄った。 飛び付くように、もう目の届かないところへ行ってしまわぬように、ひしと抱き締める。 山城の体は、ぼろぼろになって機能を低下させている缶のように冷えてしまっていた。 「わぷっ! ……提督?」 「山城っ……山城ぉ……」 「……大の大人が、なに泣いてるのよ……」 誰の所為だと思っているのか。 他人事のように言いやがって。 どれだけ心配したと思っているんだ。私が体を壊す程だぞ。 山城に嬉し紛れの罵倒を浴びせる。 思考が上手く出来ず感情だけで物を言う余り、語彙の無さが滲み出る。 「あの日近代化改装しろって言うからしてやったのに……、馬鹿だ。馬鹿! もうドックから出るな!」 「ひどい、言い方するのね……」 月は天高く艦が寝静まった静かな鎮守府の一角で、自分は張り詰めていた気を緩め、 弱っている山城の低い体温を確かめながらみっともなく喚く私を、山城は力のない手で擦って宥めてくれた。 山城は、大破しながらも確かに帰投した。 …………………… ………… …… 山城から目を離したくないと思う余り、逸る気持ちのまま山城の入渠に同伴する等と言う戯言をのたまった。 その直後我に返って自分で呆れたが、何故か山城は拒まなかった。 そう言う経緯があり、修復ドックの入り口に満杯の看板を立ててから、山城に続いて自分も暖簾をくぐった。 広間には艤装を修復する機器、疲れを癒す様々な物が整然と並んでいる。 山城が艤装を全て下ろすのを見届けてから、脱衣所へ向かった。 当然ながら脱衣所が仕切られていたりはせず、自然と山城と共にタオル一枚だけの姿になる。 「あまり見ないでくれます?」 それは恥じらいをもっての言葉か、体に煤が付いているのを気にしての事か。 どちらにせよ自分がそれに従う理由にはならない。 山城を促して浴場のタイル床に足をつける。 共に言葉を交わさず風呂の椅子に腰掛け、体を清めていく。 自分は手早く頭と体に付けた石鹸を流したが、山城はまだだ。 山城が疲弊し切っているのに先に湯船に浸かる事を憚られた自分は、髪を気にする山城に声をかける。 「山城、背中を流そうか」 「え……、いいです。自分で できます」 山城が湯船に入るのを待つので自分はやる事がないんだ。 丁寧にやるから、山城はゆっくりしていていい。 「むぅ……、痛くしたら姉様に言い付けますから」 山城は拒まなかった。 そう言うとタオルを緩めたか、山城の背中が露わになる。 手拭いに石鹸を塗りたくり、山城の背中に押し付けた。 煤で汚れた部分を特に念入りに、しかし強い力は入れず山城の背中を擦る。 艦娘を人と同義として良いのか分からないが、 露わになった山城の背中やうなじは人の女性と同義の物を持っていた。 髪を壊れ物のように扱う山城に見習って、手拭いを上下に動かす。 少しして、山城は鏡に向かったまま私への呼び声を浴場に響かせた。 「今日察しました。帰投するまでに、練度が限界まで上がったんです」 おめでとう。 思えばもうそこまで来ていたのだな。 私も嬉しく思うよ。 「で、聞きたいんです。提督は……、どうしてここまで私を使ってくれたのかって」 お願いしたのは私ですけど、と最後に付け加えられる。 放置したら拗ねて、使ったら使ったで疑心を持つとは面倒臭い奴だ。 ある期間放置した事はあったが、そもそも山城をもう使わないつもりでいたのではないんだよ。 山城が先に懇願してきただけで、そのうち招集するつもりはあった。 で、その理由だったか。 戦力を軒並み増強させねばならないと言うのも理由の一つだが。 「趣味だよ」 「は?」 山城は上官への言葉遣いを崩す程に唖然としていた。 顔を横にずらして鏡の中の山城を見やる。 山城は目と口を主砲口径のように丸く開けていた。 山城は私の言葉を反芻する。 「趣味……?」 「分からないか。お前ら扶桑型の高い艦橋に、妙な魅力を感じる者は多いんだよ」 扶桑型の造形について情を込めて語る者は、過去と現在、軍人と民間人、共に多く見られる。 それを記した書物も、探すのは容易い事だろう。 山城は周りが見えない質だな。 何でも不幸だと言うが、まさか人から慕われる事まで不幸だと思ってはいまいな? 「ま、私が山城に感じる魅力はそれだけではないんだがね……」 「え……、ひゃ……!」 手拭いでなく指で直に山城の背筋を、つつ、と撫でる。 山城は驚いたように体を震わせる。 立ち上がれないよう山城の弾薬庫の前に両手を回し、包み込むように抱き締める。 煤の混ざった石鹸が自ずと体に付着するが、どうでもよかった。 鼻先に来た山城の右の耳たぶを口に含むと、また面白いように山城は跳ねる。 「ひぅ……! て、ていとっ、くぅ……!」 あむあむと口先で山城の耳を甘噛みする。 山城は払おうと首を振るが、抵抗は無に等しいものだった。 それに合わせて耳を覆い隠そうと小さく揺れる濡れた横髪が顔に当たり、こそばゆい。 しかし邪魔しようとするそれさえも、自分は愛しく思えた。 気分が高じて自分は舌をも突き出し、山城の耳たぶを攻め立てる。 「提督っ……、なんで、こんな……っ」 この分からず屋が。 自身の価値を理解しようとしない山城なんか、こうしてやる。 山城の耳に舌を突っ込んだ。 「ふぁ、っ、……っ! うぅ……!」 山城の耳たぶを唇で挟む。 山城の耳の穴で舌を暴れさせる。 そんな事だけを繰り返していく。 それだけで体を震わせていた山城は、タオルが緩んでいる事も気付いていなかった。 その隙を見、身体の前を隠すタオルを震えに紛らわせて下ろしていった。 山城の耳を攻めながら鏡を見やる。 山城は、立派なものを持っていた。 抱き締めているうちの左手で、それを下から持ち上げるように揉みしだく。 「あっ!?」 山城の目が開かれ、私と目が合った。 自分は山城の超弩級なタンクに虜になり、耳から口を離す。 手に吸い付くような錯覚を覚える程に、柔らかくも張りがある手触りだ。 これだけのものを手入れするのだから、戦艦の入渠は長くても仕方のない事だなあ。 自分の理性はもう排水溝に流れてしまった。 邪魔物を取っ払って妙にすっきりした気持ちだ。 そうなると、自分の血液はある一点に集まってくる。 「……んっ、ちょっと、何か当たってるんですけど……」 それを覆い隠していたタオルの存在意義は潰れている。 タオルから顔を出した自分の単装砲が、たちまち戦闘準備に入るように首をもたげたのだ。 たった数秒で起き上がったそれが、山城の背中に当たる。 それの正体が山城にも分かるようにぐいぐいと尚押し付ける。 その間も、自分は山城のタンクに夢中だ。 経験のない雑な手付きで揉まれるそのタンクを、鏡越しで眺める。 タンクの中央に備えられた突起を摘み上げるだけで山城は言葉を詰まらせる。 こんなのでよがってくれるとは、山城は何と優しいのだろう。 もっと見せてくれ。 タオルの中に右手を突っ込み、すべすべな弾薬庫を撫で回す。 「ひゃ、そっちは……! ふ、うぅ……!」 何やら危惧した様子だが、どうしたのか。 知った事ではないが。 再度耳たぶを唇に挟み、タンクと弾薬庫の修復作業は続行。 あむあむ。 「っ! ……っ!」 もにゅもにゅ。 「ふあん! もっと優しく、扱ってよ……」 すりすり。 「うんん……、んやぁ……」 山城、すまん。 久し振りだから、我慢ならないんだ。 「久し振りって、三日しか経ってないでしょ……」 山城は三日の間海でどう命を繋いだかは分からないが、山城を待っている間の三日は途方もなく長かったのだ。 終わりの見えない隧道に入ってしまったようなものだ。 不安と絶望に塗れて仕方がなかった。 山城が悪いんだ。艦隊からはぐれて、私を三日も待たせた山城が。 不満なら自身の失態を悔やんで大人しく私に弄られてくれ。 有無を言わさずそう吐き捨て、弾薬庫を撫ぜていた右手を、下へ。 「なに、言って……、ひっ」 山城は身をよじった。 しかし両腕で固定している為に逃れられない。 手で初めて触れた山城の其処は、既に濡れていた。 陰毛の奥の裂け目からとろりと垂れている、お湯とはまるで手触りが異なる粘液で。 なんだ、早いじゃないか。 山城も期待していたのか? まだ始めたばかりなのにもう準備が整っているようではないか。 耳元で囁きかけ、これなら遠慮はいらないだろうとばかりに、山城の艦内に中指の第二関節までを突っ込む。 つぷぷ……。 「んはぁぁぁぁ……!」 山城の艦内は指を誘導するように疼いていた。 おお、と感嘆の声を漏らす。 山城の口は上と下、どちらが正直なのだろうな。 百聞は一見に如かず。 考察する前に試してみれば分かるだろうと、指を動かす。 「んあ! ちょっと、中で動かさ、なっ!」 言葉になってないぞ。 只、なっていても聞く気はない。言葉ではなく嬌声を聴く気ならある。 それしかないので指の動きは大きく無遠慮なものにしていく。 艦内の壁を撫でたり、一際柔らかそうな部分を押し込んだり、色々刺激を与えてみる。 「ていとくっ、待っ、まっ……てぇぇ……」 蚊の鳴くような声だ。 前方の鏡を覗き込む。 そこには、水も滴る良い艦がいる。 乱す黒髪に、目を強く閉じ、嬌声を作る唇。 露わにされている肩、鎖骨、胸部。 それだけでなく、それより下を隠すタオルさえも、みだりに乱れた山城の良さを引き立てていた。 それに自分が見蕩れるのは当然の道理だろう。 「ふう、ふぅっ、……?」 タンクを揉みしだく手、艦内を点検する手の動きが止まってしまう。 山城はふと目を微かに開いた。 その動きに自分も反応を示し、それを追う。 結果、当然ながら鏡越しではあるが視線が絡み合った。 「っ!」 山城は、指図されている錯覚でもしているように首を左に回転させて私から目を背けた。 ……なんて可愛い奴だろう。 しかし、その所為で鼻先にあった山城の耳が遠くへ行ってしまった。 玩具を取られた気分だ。酷い事をしてくれた。お仕置きしてやらねば。 山城の艦内に差し込んだ右手を、指だけでなく手全体を動かすように動かす。 くちっ、くちゅくちゅくちゅくちゅ……。 「んぁっ、ぁ、ぁぁああぁぁああ!」 山城の嬌声が、ドックに木霊す。 良かったな。貸切にしておいて。 山城の恥ずかしい嬌声は誰にも聴かれる事はない。 私を除いて。 「随分乱れるようになったなあ。山城?」 「あっ! んん……、んんんん……! て、提督の、せいでしょっ……!」 こら。鏡越しでいいから、目を合わせなさい。 山城からすれば、此方を責めているつもりなのかもしれないがな。 その科白は、此方の情欲を煽らせるだけなのだ。 我慢ならない。自分の単装砲は威勢よく跳ねているのだ。 山城の胸部と艦内の点検作業を中断する。 山城がこうも乱れているのは、我侭な提督の所為か。 しかし何時も私に主導権を握らせているのは山城なのだから、それは山城の自業自得と言えよう。 そんな私から逃げるように左を向く山城の左耳に小さく命令の言葉を放り込む。 立って壁に手を突け。 「~~っ!」 山城は背筋を痙攣させる。 耳に囁かれるのがそんなに気に入ったのだろうか。 一足先に自分は椅子から腰を上げた。 山城の両肩を持ち上げるようにして催促すると、山城は肩を痙攣させながらも何とか立ち上がる。 山城のタオルが足元に落ちた。それを私が向こうへ蹴り飛ばし、自分の腰に巻いているものも放り出す。 山城は、私の命令に逆らわない。 壁に両手を突き、腰は此方に突き出してくれる。 山城は本当に以前よりも練度が上がってきているな。 これから何をするのか、分かっているじゃないか。 「……っ」 自ずと主張される山城の尻の、なんとも男の性を刺激してくれる事か。 ふるふると誘うように震えている。 山城が海戦で中破帰投すると目にする尻を、今自分は弄ぶ権利を握っているのだ。 おくびにも出さなかったが、あの尻に己の手を沈めてやりたいと実は常々思っていた。 一先ずは山城の腰を左手でむんずと掴み、右手は自分の主砲に。 照準を定める。 「っ……、ぁ、ぁはあっ!」 入った。 ピストン輸送を開始する。 山城の艦内は潤滑油で程よく濡れているし、艦内が引きずり込もうと疼くし、 自分の主砲も山城の艦内を拡張工事する位に膨張したおかげで隙間がない。 複数の要素が上手い具合にかみ合っているので、とても円滑に行えている。 「う、ああっ、ぁ、ぁあああ……、てい、とくのっ、いつもよりも……っ!」 それだけ待ち遠しかったんだよ。 分かるか? 三日も待った私の気持ちが! ぱん! 「いひゃいっ!」 私は山城に、言葉をぶつけ、艦内に主砲をぶつけ、尻に手をぶつけた。 艦隊からはぐれるなんて問題外だ。 この鎮守府最古参の戦艦なんだからもっとしっかりしろっ! 後輩の戦艦が呆れるぞ! ぱん! 「あうぅっ! し、仕方、ないでしょっ! あん! や、夜戦は、苦手なのよおっ!」 苦手? 練度が限界に達しておきながら苦手なものがあるというのか。 本当に限界まで練度を極めたのか? このっ、このっ! ずぶっ、ずぶっ! 「あ! ああっ! だ、だってえっ! 夜戦に、いい思い出なんかないんだからぁっ!」 自分は、ぴたと動きを止めた。 第六感がここは話を聞く場面だと興奮する私を冷静に諭したのだ。 山城は酸素を求めて必死に息を整えようとする。 暫し待つと、山城は息絶え絶えながらも私に訴え始めた。 「はぁ、ま、"前"の時はっ、超弩級の威厳なんかなかった」 「私は、最期の夜に敵艦に囲まれて、姉様と一緒に虐殺されたからっ、それが、今でも……」 どくん。 自分の心臓が強く脈打つ。 艦が経験してきた事は、経歴には事細かに記されていない。 だから、その事柄は初めて知った。 日本軍艦はかつての大戦の戦況悪さ故に敵国より悲話が多いから、 此方から首突っ込んで聞くのはよしたほうがいいだろうと前々から判断していたが、ここまでとは。 彼女らの精神に深刻なダメージを与えてしまわないようにとの配慮だが、 たった一隻からそれを聞くだけでも聞く者に深刻なダメージが来るものなのだな。 囲まれて虐殺される。 躊躇いなくそんな言葉で表現できる山城の奥底の闇を垣間見てしまったようだ。 そこには、どれだけの悲しみやら憎しみやら辛さやらの負の感情があったか計り知れない。 悪ふざけで山城を虐げていた先までの自分の姿がとてもみっともない。 しかし、山城の艦橋を越える程自分に呪詛の言葉を積み上げるのは後だ。 自身の恐怖の根源である夜の海を三日も彷徨って命からがら帰って来た山城を、自分は修復しなければならない。 自分は、慈しむ想いで身体を山城に重ねる。 なるべく耳に伝わるよう首を伸ばしてそこに呟く。 すまんな。 「え、提督? ……んあっ!?」 止めていた腰を再び動かす。 両手を前に持っていき二つのタンクを揉む。 「あうっ! そんな、いきなりっ!」 自分の下腹部を山城の尻にぶつける音がリズムよく木霊す。 それに合わせるように山城の艶かしい歌声が響く。 欠陥だの不幸だのそう言った口癖だけ聞いていると弱そうだが、やはりと言うか山城はそんな事はなかった。 夜の海で凄まじく不本意な最期を遂げた山城に未練があるのは当然で、 それをばねに蘇ったと言っても過言ではない今の山城が、弱々しい訳がない。 山城もまた芯のあるしぶとい強さがある。 浴場に響くこの綺麗で儚げな嬌声にも、そんなものがあるように聞こえた。 聴覚がそう錯覚してくれると自分の心は揺れ動く。 「はあはあっ、あっ、ああっ! て、ていとくっ!」 自分の身体も突き動かされる。 山城に対するこの大きな感情が暴れて止まらない。 嗚呼、こんな感情が生まれたのは何時からだっただろう。 いつの間にかできていた。 不幸と言いながら死にたがりにならず生きる山城が、 深海へ足から引きずり込まれそうになりながらも足掻く様に生きる山城が、愛しくてたまらない。 「……っ、……っ!」 自分は思わず歯を食い縛る。 口から出ようとする心臓を縛り付けておくために。 それでも、山城とこうしていると次第に自分の枷も小破、中破、遂には大破してしまう。 嘗ては不幸から脱却したいと言う山城の為にこう言う事をしていた筈なのに、 今こうして山城と一つになっている事を、自分の方が幸せに感じてしまっていた。 おかげで、自分はあまり長く持ちそうにない。 「……しろっ、山城っ、山城っ! す……!」 危ない。 地の声を零し掛けた。 山城は別に私にそう言った意味での好意は持ち合わせていない。 そんな山城に自分がそんな想いをぶつけたって何も実らないし、山城が迷惑がるだけだ。 「あ、あっ! ああん! んっ、てい、とく……何ですか……っ」 何でもない。気にしなくていい。 もう出るから、山城は準備する事に集中しろ……っ!! そんな事を言いつつも山城にそんな時間なんか与えず、 頭の頂点から足先まで一つになったまま自分は達する。 唯一つだけ除いて。 どぷっ! びゅく、びゅくびゅくびゅる……っ!! 「んっ! ぁ、はああああぁぁ……!! うぅんっ……」 …………………… ………… …… あの後、自分は急激に萎えた。 自分の中の熱い想いは、外的攻撃によって墜落するように冷めたのだ。 自分の事だから理由くらい分かっている。 山城に対するこの想いが実らない事くらい分かっている。 言い方は悪くなってしまうが、山城は私の事を、自身が幸せになる為の踏み台としか思っていないだろう。 逆に山城にそう言った好意を抱かれる事をした覚えはない。 では出口を見つけられずに自分の中で疼くこの想いはどうすればいいのだ。 そんな葛藤が始まった自分は、早く寝床に身を沈めたい気持ちに包まれた。 山城は上手く修復できたようで、艦が大破した事で体に溜め込まれた疲労はすっかり抜けたと言っていた。 それを聞くや否や、自分は短い返事だけ返して湯船にも浸からずに出てきた。 そして今、こうして寝床の布団を頭から被っている。 山城を修復した代わりに私の調子が狂ってしまったようだ。 なあに。一晩寝れば直るさ。 「……提督? 寝てる?」 山城か。扉を叩かずにいきなり足を踏み込んでくるとは無礼者め。 提督はこうして惰眠を貪っているのだ。 お前の修復作業で疲れたのだ。眠っているのだから話し掛けないでくれ。 顔を覗きこまないでくれ。頼む。 「……馬鹿」 おいどういう意味だ。 自分の背後でそんな言葉を投げかける山城に心の中で問う。 山城は意味の分からない罵倒を静かに飛ばしてから、部屋の扉をゆっくりと閉めた。 今夜は、こうして煮え切らない想いを抱えた自分に構わず更けていった。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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228 :名無しの紳士提督:2015/11/19(木) 03 45 21 ID Xc9ivw9Q マックスのディアンドルがないやん!と憤りを抱え気づいたら時期が過ぎていました。 正確に数えてはいませんが、遅刻ったって81019190721時間ぐらいだと思うのでイベントが始まるまでのロスタイムディアンドルです。 229 :名無しの紳士提督:2015/11/19(木) 03 53 15 ID Xc9ivw9Q 短くはない戦火の飛沫によって人類は疲弊し、自分のような若造でさえこのような不相応な地位にある。だが、幸いにして秘書艦霞を筆頭に皆よく力になってくれている。ただ感謝の念しかない。 しかし、女性ばかりの場の中に、つくねんと男が突っ立っているというのは、これは中々に大変な事やもしれぬぞと、うすらうすら思わせられるこの頃である。 彼女たちは紛れもない女人の性であり、そして女性というものは少なくとも自分という男に対しては極めて強固な一つの集団であり、さながら大海に一滴垂らした朱が、あっという間に溶けて見えなくなるように、こと私に関する事象、失敗も口舌の一つ一つまでも、彼女たちにとっては格好の話のネタになっているようである。 先日、酒の席での話が弾み、それがいったいどう転がったものか、各々の持つ家庭観への議論がなされた。そこは流石に歴戦のネイヴィー、独立独歩の気風の高い彼女たちからは、家庭に入るというものは中々聞こえてこなかったと記憶している。けれど、恥ずかしながら自分はそうではない。妻として迎える伴侶には家を守ってもらいたい。それと小遣い制とやらに少しばかり憧憬がある。そんな事を言った。 後日になって、その時は同席していなかった阿賀野が自分に尋ねてきた。 「提督はお小遣いがいいのね! でも、じゃあ、具体的にはどのくらいがいいのかしら?」 「……んん? いや……それはまあ、当人同士での話し合いにもなるんじゃないか。ああ、でも時々でいいから趣味の分を考慮して頂きたいものではあるかな」 「趣味?」 「洋酒さ。道楽だよ」 「ふーん、お酒ね。ほどほどにするなら、考えてあげる」 「ああ。ありがとう」 両者がよくわからない認識をすり合わせ合意に至ったあたりで、能代がしきりに畏まりながら姉を引き取っていった。扉が閉まるや否や、阿賀野をたきつけたらしき連中を叱り飛ばす能代の声が響いた。 誰かに話してさえいればある程度は「こいつも聞き及んでいるだろう」というアテができるのは、これはこれで便利なものでもある。 あるいはまたいつだったか。 レーベレヒト・マースが故国の民族衣装を披露した時だ。 自分はこれを絶賛した。今まで衣装といえば和装、あの実に男の事を考えて作られた機能美とでも言うべき服装こそが女性を最も引き立たせるとの信念を抱いていたが、その幻想は、目の前の“彼女”によって粉微塵に打ち砕かれたのだ。 目新しさ。それもあるかもしれない。なにせ周囲は同郷の女人ばかりであり、顔かたちはおろか、制服から伸びるすらりとした手足の寸法、肉の付き方からして異なるのだ。あの碧眼に下から見上げられ、ゆっくりと言葉を囁かれ、心の沸かぬ男がどこにいるというのか。それを一時の気の迷いとする事は至極当然で、けれど胸にある感じはこれはどうしようもない単なる事実だった。 「あ……あの。これ……ドイツの、その、キモノみたいなもので……」 「うん……」 「その……どうかな、提督。……変に見えないかな」 「……うん。いいね。いい……凄くいい。可愛いな。うん、可愛い。これは凄く可愛いな。好きだ」 「あ……ありがとう。……好き?」 問題はこれが例によって酒の席で、前後がうろ覚えだという事だ。レーベもドイツ製ビールサーバーとして甲斐甲斐しくしていたようである。 自分がそこで一体何を口走ったのか、当の本人には幸い後日さけられたり聞こえる距離で陰口を叩かれるといった様子はないが、艦隊の風紀が乱れたと秘書艦の霞には思い切り叱りつけられた。何が拙かったのだろうか。結果だけを鑑みるならば、翌日の朝一番にディアンドル姿の隼鷹が現れた事だろうか。しかし、あいつは酒精の信奉者だ。ドイツの水にいたく感動したのだと考えればそう不自然でもない。たしかに……たしかにその後、那智や摩耶といった連中までもがその格好をし始めたのは事実だ。流行ったのだといえる。 部屋にマックスを招き入れ、改めて彼女らドイツ人が纏うこの衣装の雰囲気というものを眺めながら、そんな事を考えていた。 「どうしたんだ、こんな時間にまた突然」 「Ja、少しお邪魔してもいいかしら。提督、ビールはお嫌い?」 「もう廊下も冷え込む時期だろう。まあ入れ」 ちなみに彼女が携えたのは鎮守府最寄のコンビニのビールだった。これならば誰何の際、せめて酒の銘柄でも答えさせるべきであったかと自省する次第である。異国の美少女を肴にあおる酒は金だった。黒ならいいという話でもなく、プルタブを空ける音がする度に、「なにかが違う気がする」という漠然とした気持ちが募る。 流行った、と誤解を恐れず言ってしまえば、それはそうかもしれない。 しかしマックスが今さらになってこの格好をしてくるのは、何かしらの思惑か……都合か。腹回りの肉の都合がつかなかったのかもしれない。可能性は否定できない。 「……どうしたの、変な顔をして。もう、酔いがまわってきたの。赤くなってるわよ」 怪訝な口ぶりは滑らかだ。彼女は酒に弱くないらしい。 ならばなぜ、そういうお前も赤いのか。その様子はどうしたというのだ。俺だけに見せびらかしにでもきたのか。 「Ja、そうよ。……あなたに見せにきたの」 日の出る前の夜の海が、彼女たちの戦場だ。 自分の足元さえも不確かなあやふやさの中で、それでも前に進んでいくしかないのだろう。 +後書き 話全然変わるんだけどレーベ“レ”ヒトなのか。zweiなのにレーベヒト・マースだとずっと思ってました 字にして始めて気づいた。反省してます 233 :名無しの紳士提督:2015/11/19(木) 06 41 23 ID oKa0qCzA 乙デス。ビス子以外のドイツ艦のSSはこれが初投下だね。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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139 :139:2014/05/20(火) 23 21 54.02 ID FIAR9bk5 提督×浜風9-43と提督×浜風9-174に浜風ものを投下した者です。 あれの最終話を書いたのでこれから投下します。 140 :139:2014/05/20(火) 23 25 12.03 ID FIAR9bk5 1 シーツの縒れを手元に見て、せり出す嬌声は枕にくぐもる。下手な息継ぎの度、胸を満たす枕の香りがより一層の恥辱を煽っていた。 水音の響きと連動するようにして腰が婀娜やかに蕩揺し、淫らな雫がつぅと大腿を滑っていた。後には蛞蝓の這ったような光沢が一直 線に刻まれて、そのこそばゆさに思わず掌の力が強まった。浜風は四つん這いの体勢で、彼からの刺激をただただ無抵抗に受け続けて いる。 朱の孔は熱く、時折呼吸するように蠢いた。まるで童女のそれと違わないばかりであった彼女の女陰も、毎夜のように施された悦楽の 指教によって、今や爛熟の滴りである。 彼の指先は、肉芽の上を叩くようにして刺激した。まるで掌が腰を支えるように添えられて、中指の全体は陰唇に埋まっている。跳 ねた愛液は彼の手首までをも汚し、尚一向に留まりはしない。 背筋から腰にかけて、電流の流れたような痙攣が彼女の絶頂を示した。くたりと仰向けにへたり、柔らかな乳房は胴の上、重力によ って平たく潰れる。彼女は顔を背け、目尻に重なるように腕を置き、荒い息をつくだけになった。そしてやはり、提督はそれ以上手を 出す事もせず、クリネックスを取りに立ち上がったのだった。 今回で何回目の伽であるのか。終わった後にはじっとりと汗ばんでしまう季節になって、だが胸を刺す寂寥は、未だに亭々と根を張っ ている。この切なさを恋を認知するに浜風は存外時間を要した。いや、今でも深層の部分においては認めていないのやも知れない。彼 女が思い描き正道とした恋心は、春水沸き出ずる果て、清らかに咲く一輪の花のようなものなのである。微恙の際の熱と似たものが、 ぽっと胸底に燈った時、それこそが真正の恋であるのだと夢想していた。故に情欲をきっかけとしたこの想い、穢れの中に生まれた感 情を一絡げに定義するのは憚られた。 愛して欲しい。そう心の中で独り言ち、途端憂鬱に苛まれる。自身が酷く驕慢な、醜いものに思われた。求められたいという欲求が 切なく胸を締め付けて、ますます自己嫌悪の陰気に当てられる。 提督が褥に戻ったのを横目に見て、彼女は身を起こした。怪訝な視線を受けながら首に腕を巻きつけると、持ち上げた体を再び蒲団 へと寝かした。引っ張られた彼は堪らず腕立て伏せのような格好で彼女の上にしなだれて、それは端から見れば押し倒した風にも見える 状態であった。 「キスを、ください」 真剣でいて悲壮の色を湛えた瞳が、突き刺すように彼を見る。息を飲んだ提督は、だがやはりそれを憫殺した。 額に唇が押し当てられる。そうして前髪を梳くように撫でてから、彼は身を捩り隣に寝転んだ。視線を交わす事も無く、たったそれ だけで終わりである。 胸を開いて中を覗き見る事が出来たならどれだけか楽になれるだろう。諦観と少しの願望を乗せた溜め息が、口から独りでに漏れ出 した。浜風は提督を信用してはいなかったが、失望をしているのでもなかったのだ。何時か、いづれ何時かはと、彼の優しげな愛撫にその 先を幻想しながら、一方では口惜しさに歯を食いしばる。彼にパジャマのボタンを閉じてもらう度、競り上がる涙を堪えながら拳をぎ ゅっと握るのだった。 あなたを殺して私も死ぬ。この頃、彼女の頭の中にはこの短文が居座りだした。浅ましい甘ったれの、エゴイスティックな人間が使 う台詞だと自覚しながら、しかし彼の顔を見ると知らずの内に心内で唱えてしまうのである。あなたを殺して私も死ぬ。あなたを殺し て私も死ぬ。あなたを殺して私も死ぬ、と。 心中の美学は、この国に生まれた者ならば生まれつきに理解している事柄なのだろう。かつて死に行く皇国のため、仲間のために自 らも海中へ没した彼女は、それを醜悪とは思わなかった。むしろ、純粋な恋。春水の沸き出ずる……に近似した究極の白壁。微瑕一つ も有らざりき、誠の心。そう思われた。 浜風は彼の手を取ろうとして、しかし止めた。 141 :139:2014/05/20(火) 23 27 53.31 ID FIAR9bk5 2 子の刻。夜の重たい静けさを裂く、賑やかな談笑の声があった。間引きに付けられた蛍光灯が廊下を薄暗く照らす中、唯一食堂だけ は真昼と思えるほどの目映さを放つ。 限定海域攻略完了の祝いとして開かれたこの酒宴は、その姦しさの峠も越え、ぽつぽつと自室へ帰る者の姿も現れだした頃合である。 こと駆逐艦の大半はその姿を消していたのだが、唯一浜風だけは提督の隣に座り続けており、その雰囲気たるや沈欝の極みであった。 彼女は視線を虚空に固定しながら冷えたグラスに唇を当て、中のモスコミュールを舐めるように飲んでいた。他方、提督は思い出し たように声を掛けるが、どれも無視をされるか一言相槌を打たれるばかり。酔いも回りだした頃には何やら無性に苛立ちが募り、日本 酒を手酌してはその感情を無理やり腹底へ下している。 壁掛けの時計を眇め見つつ、提督はとうとう痺れを切らすと、 「僕はもう寝るけど……」 と言った。引き止めて欲しかった訳でもなく、ただ報告しておこうというような心緒である。最後に口を開いてから既に一刻は過ぎ ており、ざらついた喉が不快な音を発した風だった。 「そうですか」 果たして浜風の反応も平坦の極み、清閑な湖の水面が如く起伏の一端もありはしない。提督は憮然と立ち上がると、早足にその場を 後にした。 彼の背中を眺め、浜風の心内には猛然と湧き出すわだかまりがあった。悲観の憤怒と諦観の絶望とが、体に巡るアルコールの熱に火 をつけたようだった。上ずった気が何が何やら分からない内に涙となって溢れ、堪え切れなかった幾らかの嗚咽がしゃっくりのように 零れ出す。噛み締めた下唇は真っ白に、濡れる眼は真っ赤になった。 競り上がろうとする嗚咽を何とか飲み込んでいると、力の込もる拳や肩が独りでに震えだす。それが厭に無様に思われて、恥辱の涙 をも混ざりだした。浜風はグラスの残りを一気に呷り、うずくまる様に下を向いた。 どれほどか時が過ぎ、涙は留まる事を知らないが呼吸は落ち着いてきた頃合、隣に腰掛ける艦娘がいた。右手には冷酒の徳利とお猪 口が二口、左手には荒く千切られたキャベツ盛り。唯でさえ露出の多い服を更に乱しながら、武蔵は朗らかな笑顔で席についた。 「浜風よ。貴様、まだこういうのは知ら無いだろう。まぁ飲め」 差し出したおちょこに並々と透明の雫を注ぎ入れ、彼女は開口一番にそう言った。体中の元気がごっそりと消え去っていた浜風にと って、その絡み方は何とも煩わしいものであったのだが、わざわざ遠慮すると言うのもそれはそれで面倒くさく思われ、逡巡の後に結 局は渋々、その小さな器に口をつけた。 焼かれたのかと思えるほどの膨大な熱が、一気に胃の底へと駆け下りた。切羽詰った浮遊感が呼吸を乱し、しかし不快な感触ではな い。目の覚める強烈な苦味が舌の上で踊り続け、それは刺青のようにずっと刻まれたままであるようだった。 形容するならば、多幸感である。忘却の彼方へ打ち捨てられていた胸の温かみが、じんわりと体に広がってゆく。たちどころに良く なる機嫌をどこか不気味にも感じながら、しかし気持ちのいいことに変わりは無い。悲観や苛立ちは流され出て行き、唯一残った負の 感情は、してやられたという悔しさだけである。得意げな顔つきの武蔵を恨めしく見ながら、彼女は杯を置いた。 「もっとください」 そうして、待ってましたと言わんばかりに、徳利は傾けられたのだった。 142 :139:2014/05/20(火) 23 31 03.34 ID FIAR9bk5 「提督と何かあったのか」 自身も杯を呷りながら、武蔵は浜風を横目に見、窺う声音にそう聞いた。当人は気が付いていないようであったが、先ほどの落涙を 見た者は存外に多く、そしてその誰もが聞きたいであろう質問でもあった。 武蔵には別段、それを言いふらそうというような魂胆は無かった。あるのは好奇心と彼女への配慮のみである。しかし浜風は気丈に も顔を上げ、空元気に答えたのだった。 「いえ、別になんでもありません」 「よく言うぜ……。まず目の充血をどうにかしてから言うべき台詞だな」 「少し、酔っ払ってるだけです。提督は関係ありません」 彼女がそういった方向について厭に意固地になることを、武蔵とて心得ていた。懐柔に時間を惜しまず、兎に角酒を注ぎながら辛抱 強く聞いてゆく。どれだけ強大な意思があろうとも、本能の方は内包している思いをぶちまけたいはずであった。なれば、酒さえあれ ば何れか理性が頽れる。果たしてその目論見どおり、彼女の口はお猪口の呷られる度、徐々に徐々にと緩くなっていったのだった。 二本の徳利が空になる頃、浜風の瞳は再び潤みだしていた。口から漏れ出す提督への呪詛。最初こそは抽象的な、ただ言いたい文句 を連ねただけだったそれは、次第に同情や憐憫を売りたい為に、より事実の暴露に迫っていった。武蔵がうんうんと気前良く聞いてく れる事もあり、とうとうその全てを告白しなくてはもう恨み言も言えない段になると、浜風は意を決し、事のあらましを口に出し始め た。 あの口淫や、自慰や今の半端な同衾関係についてである。羞恥も惨めも打ち捨てて、赤ら顔に告白し続けた。 まさかそういった所にまで発展しているとは思っていなかったのだろうか。武蔵は目を見開き、唯何も言わずにそれを聞いていた。 「私、提督の事が好きみたいなんです」 最初、明るく始まったその物語も、結びの文言に至ると余りに重苦しい悲惨さ。息の詰まるような激情を冷静さの奥に見出して、武 蔵はため息をつかずにはいられない。彼女の瞳に映る純真と、表情に顕れるくたびれが痛々しく思えてならなかった。 絶対に報われない恋慕である。本人にも自覚があるらしい事が、なお一層不憫であった。痛みを伴わない解決の機会は永遠に失われて おり、あとはどれだけ傷を浅く済ますかという不承の始末だった。武蔵はお猪口を呷ると、一口に飲み込んでから口を開く。 「まだこの艦隊に来て間もない頃の話だがな、今の貴様みたいに練度向上を目的として秘書艦をやっていた時期があった」 浜風はあの痛ましい眼を向け、無言に話の続きを促した。前口上を終えてしまった今の段になって今更席を立つことはできないと知 りながら、武蔵は逡巡に口を閉ざしてしまう。 果たして自らが終端のきっかけとなってもいいのかと自問した。これから話す内容によって、浜風のもしかしたらという希望は呆気 なく潰えるだろう。客観視して間違えなく最善だった。しかし苦しみの伴う事も明白である。決断は、疎ましくも自身に委ねられてい た。 十秒は経った後、彼女はおずおずと話を再開した。心内では謝罪を呟きながら、平然とそれを口にする。 「提督に押し倒された事があった。その時は酒も入っていたし、私とて別段嫌ではなかったのだがな。……まぁ、色男だ。決して尊 敬はできないが、魅力はある。まぁいいかとも思って、なされるがまま好きにやらせていたんだが……。あいつ、私が処女だと知った 途端に止めやがった」 143 :139:2014/05/20(火) 23 33 49.19 ID FIAR9bk5 そこまで一息に言い切って、武蔵は浜風を盗み見た。今、彼女の心が一体どれだけ荒れたのか。口を堅く結び、無表情に見つめるそ の様子からは一切憶測もできはしないが、尚それでも覚ろうとした。 虚ろな視線に薄ら寒い思いを抱きもする。しかし武蔵はあくまで彼女を案じ続けていた。嫌悪をされたとしても、事実の客観を意識さ せることこそが唯一残された救いへの道。そう考えていた。 「あいつは慣れすぎているんだよ。女心を弄ぶのは得意だが、気遣うことは一片もできやしない。提督職を追われたなら、まず間違 いなく男妾になるぜ」 浜風の胸の内に、男妾。その一単語がずんと響いた。今驚くほどの心の粛然。その裏に燃え上がる嫉妬や落胆はそのまま、何故だか 男妾という言葉が残響するように胸を打った。 まさしく提督の性質だと、感心にも似た清々しさが感じられた。彼女は、自身がどこか集合住宅に住まい、提督が居候している生活を イメージした。尽くせども尽くせども言い寄る女を邪険にしない彼は、ふらっと外へ出ては遊戯する。愛想尽き果て打ち捨てる事がで きたなら良いのだろうが、なまじその男妾の性質が楔である。何時までも期待を抱き続け、そして破滅。そういった物語が克明に再生さ れたのだった。 「あんな男、真剣になればなるほど損しかない。早く諦めたほうが良い」 纏められた終わりに、確かにそうだと同意した。あんな男は打ち捨てたほうが良い、何の得にもなりはしないと思えども、しかしど うしようもなく惹かれる心。……魂と呼んでもいいやもしれない。彼を欲する感情は、ひたすらに強大で堅牢だった。彼さえあればそ れでいいと、彼が愛してくれるのならばそれだけで全てが満たされるのだと、心内で増殖する渇望は、完全な理屈をもってしても制圧 叶わないように思われた。 「……どうやったら諦める事ができますか」 顔を伏せた浜風に、武蔵は間髪入れず答えた。 「まず何より、もう逢わないことだな」 144 :139:2014/05/20(火) 23 37 12.17 ID FIAR9bk5 3 蠅取り蜘蛛の足音さえ聞こえそうなほど静まり返った執務室。その窓際に立ちながら、提督は一人キャスターマイルドを喫んでいた。 一人の時にしか喫煙しないのは、勿論艦娘の健康を考えているからでもあるのだが、最大の理由は女々しい銘柄に魅せられていること への羞恥があった為である。かなりの昔、海軍兵学校にいた頃の話であるが、初めて買った娼婦から銘柄を揶揄されたことがあった。 JPSを愛喫していたその女からすれば、どんなパッケージを見たところで子供の遊びにしか思えないのだろうが、まだその時分、不 慣れの純朴な田舎上がり。精白に近い心は大いに傷ついて、以来人前でタバコを吸うのに抵抗を覚えるようになったのだった。背伸び してタールの多いものへ乗り換えようとした時期もあったが、バニラの甘みが無いと何とも口寂しく苛々も募る。中毒なほど多く吸う わけでもなく、結局はキャスターを愛飲し続け今に至る。 一人広い部屋に閉じこもると、何とも集中の切れやすい提督であった。秘書の浜風は珍しくも大破。入渠に掛かる時間を見、練度の 高まりが意識された。お小言を言う艦娘がいなくなれば元より自堕落な彼であるから、積まれた書類は見て見ぬふりをし、開けた窓か ら朱に染まる岸辺を眺める。吹き込む風の湿り気に、梅雨の気配が感じられた。 つと、扉をノックする者があった。提督は大仰に背筋を震わすと、慌てて煙を扇ぎ吸殻を外へと投げ捨てた。別段、喫煙しているこ とそのものを秘匿にしていたつもりも無いが、どこかこれは疚しい事なのだとも思えている。少し待てと大声に返答し、スプレーを吹きか けてから椅子に座った。さも執務に忙しい風を装い、万年筆を手に取って入れと言う。 戸を開け目に付いたのは、大胆な白さらしに褐色の肌。颯爽と入室した武蔵は 「邪魔するぞ」 と一言、執務机の対岸に立った。 「何か用か?」 「いや何、“浜風の奴がいる前ではできない話”だ」 「……お説教かな」 威圧を不敵な笑みに載せ、射抜く視線は凄みに煌く。提督は背筋に冷や汗が滲むのを感じながら、腕を組み佇立する彼女を窺い見た。 「何でも貴様は、私と気まずくなるだけでは飽き足りないらしい」 「別にそういう訳じゃない」 「ならどういう訳なんだ?」 提督は一瞬、何かを言いたげに口を開けたが、そのまま黙し顔を伏せてしまった。どういうつもりかと問われても、特にどういうつ もりもないのだから、答えようも無かったのだ。浜風が望んでいる事は知っていて、だがそれを叶えるのは嫌であった。ならどうして 毎夜遊戯するのかと言われれば、それもよく分からなかった。謗られるべき悪行なのだろうし、そういった自覚もある。しかし、いつ の間にか気が付いたら習慣化していたのだから、もうそれは仕様が無いじゃないかとも思うのだ。 「分からない」 静寂の意識された頃、彼は正直に答えた。 「言うと思ったぜ」 すかさずに吐き捨てたれた言葉の語調には、呆れと怒りが垣間見えた。武蔵は続けて、 「お前、そんな調子じゃいつか刺されるぞ」 「実は昔、ここに着任する前なんだけど、住んでた下宿に包丁を持った娘が来襲した事があってね」 「経験済みだったのか」 「幸か不幸か死にはしなかった。……なんで僕はこう、好かれてしまうんだろう。嫌ってくれたほうが楽なのに」 「よく言う。寧ろ積極的に関係を持ってるのはお前の方じゃないか」 提督は再び沈黙という逃避、部屋には武蔵の来るより前とまったく同じような静寂が広がった。その場に立ち続ける彼女と、ペンを 握り顔を伏せた彼の足元を、ゆったりとした時間が無意味に通り過ぎていった。 145 :139:2014/05/20(火) 23 40 18.66 ID FIAR9bk5 「貴様のせいで私は疵物」 どれほどか経ち、沈黙を破った武蔵の呟きは、耳が静寂に慣れてしまったせいかかなり大きく聞こえた。声音に怨みは無く、ただ寥々 たる響きである。 「最後までした覚えはない」 提督はすかさずにそう言った。 「だからこそだよ。あの後私は一人外で飲んで……。まぁ、顔には自信があるんだぜ。引く手は数多。一番マシな奴を見繕ってな」 「おい、冗談だろう」 珍しくも彼の顔つきは険しくなっていた。それを見ると武蔵の心内には途端、愉快な気持ちが沸いてきて、何時もの笑みから更に口 角が吊りあがった。 「貴様が処女は嫌だって言ったんだぜ?」 「別にそうとは言ってない! あれは……僕がただ臆病なだけだったって話じゃないか」 「なんだ生娘は嫌う癖に独占欲はあるんだな。つくづく度し難い奴だ」 「からかうなよ」 必死な声音にとうとう堪えきれなくなると、彼女は腹を抱えて破顔した。目尻には涙が浮かび、床へ悶え転びそうなほどにふらついて、 ひたすら喉を振るさせている。 「お前、僕を馬鹿にしてるな」 「すまんすまん」 「嘘だろう、それは。僕をからかいやがった」 「どうだろうな。……確認してみるか?」 笑いを引き摺り高い声でそう言うや、彼女は早足に机を回り、提督の側まで近づいた。狼狽し慌てて椅子を引く提督の姿。それを嘲 謔する心地に見て、横合いから体躯を滑り込ませる。肩に手をかけ背もたれへぐいと押さえつけると、情交への興奮、眠っていた嗜虐 の心が悦楽への欲望を燃え上がらせた。 「ほら、脱がせてくれ。……あの時みたいに」 彼女の体躯がしな垂れかかり、提督の胸板の上では柔らかな乳房が押し潰される。熱い吐息が頬を撫ぜ、それは次第に下へと下がっ ていった。顎を過ぎ、首筋を滑り、そして首根に到達すると温い柔らかさが愛撫を始めた。人の最大の弱点へ人の最大の凶器が迫る。不 安や恐れ、どこと無く胸騒ぎがして落ち着かないこの感覚こそ、首へのキスの本質的快楽であると思われる。信頼という保証があるに しろ、自身の生命を完全に預けるという危うさ。相手の支配に堕ちるという悦が、背筋をすぅと駆け下りた。 提督は彼女の背中に手を回し、さらしの横筋一本一本をなぞった。時折敏感な所を指が滑ると、肩が僅かにぴくりと跳ね、口の隙間 からは、か細い声が漏れ出した。どこか羞恥があるのか、そういった反応を寄こした彼女は直後には首へ強く吸い付き、朱の跡を刻み 込む。 悪戯に仕返す悪戯。子供の遊戯のような睦み合いは次第にその淫靡さを増してゆく。鎖骨にまで唾液の垂れる頃、武蔵は顔を上げる と濡れ光る唇を彼の口へと近づけた。開いた隙間から舌が探りを入れるように進入すると、彼もまたそれを向かい入れる。踊るように弄 り合い嬲り合う紅は、段々とその水音を大きくさせていった。 一度離された口の両端に、雫の橋が掛かった。それは行為への名残惜しさを代弁するが如く粘性を保ち、そして遂には自重で崩れ落 ちた。 「煙草、吸っていたんだな」 「ああ」 「……脱がせてくれ。今度は最後まで」 提督は再び彼女の口へ吸い付くと、さらしの結び目に指を掛けた。 146 :139:2014/05/20(火) 23 43 17.50 ID FIAR9bk5 4 のぼせた頭の疼痛に息を荒らげながら、浜風は服を着込んでいた。 酒宴での警告はしこりとして胸にわだかまり、尾を引いていた。夜伽は最早習慣として体に組み込まれて、今更引き剥がす事など無 理であった。彼の手を受け入れるたび危機感のようなものが心を痒がらせ、その感触は背徳の快楽を現出させる。今日こそは、今日こ そはと思い続け、しかし重ねてきた同衾の悦。今や他人の温みの無い、冷えたシーツの感触を思い出せない彼女である。さっぱりとした 体と更けた時分は、これからするであろう事にお誂え向きとも思われた。 自己嫌悪に涙することなど今の彼女には日常茶飯事で、だから幾つかの雫が目尻から頬へ流れたことにもしばらくは気が付かなかっ た。顎先がくすぐったく、服の裾で掻いてみれば小さく染みができたので、そこでようやく自身が泣いているのだと分かったのだ。 止まろうと思えば止まる事ができるのに、破滅への街道を一夜一夜と進んでゆく。そして今日とて歩は止めず、彼の手に溺れるのだ。 なんて浅ましく卑しい事だと、自嘲の言葉は心内に尽きない。 入渠施設を出て執務室へ向かう途中、廊下の果てに人影を見た。間取りからその人物は提督のの元へ行った帰りなのだと分かったが、 ともすれば幾らかの駆逐艦などは就寝している時刻である。とりとめもない用事なら明日に後回すであろうし、そして何より自身の入 渠中に会っているということが彼女の心に波風を立てていた。目を凝らしその娘の姿を見んとすると、果たして浜風は息を飲んだ。 武蔵はどこか幸福に浮かれた様子で、跳ねるように廊下を進んでいた。浜風が姿を認めてから大分遅れて彼女も気付き、何時もの微 笑みで軽く手を振ってくる。 「入渠上がりか」 声を掛けられ、すかさず 「はい。……あの、執務室に何か?」 「別に、とり止めもないことさ」 武蔵は会話に立ち止まる事もせず、呆然と立っている彼女の横を通り過ぎた。 徐々に小さくなる背を眺め、胸に切羽詰ったような苦しさが広がる。焦燥や不安に駆られ、頭に思い出されたのは男妾と言う言葉で あった。いやに上がってしまった呼吸を飲むようにしていると、今度は胸を叩く動悸が気持ち悪いほど大きく響く。そんな筈はないと 思ってみてもその根拠の薄弱さ、結局は信頼という一言に集約されてしまうのだった。信用に足らない相手であった。だのに心は夜を 重ねるたびに少しずつ、侵略されていたのである。 幾分かは落ち着いた後、執務室へ向かい戸を開いてみると、まず書類の片づけをしている提督が見えた。彼は彼女の入ってきた音が 聞こえるなり、顔を向けないまま口を開き、 「お帰り。もう僕は寝るけれど」 「あの、さっきまで武蔵さんがいませんでしたか?」 「うん。まぁ、少しちょっとした野暮用でね」 屈んだ姿勢に露出した首筋。浜風はそこに咲いた朱を見逃しはしなかった。 147 :139:2014/05/20(火) 23 46 18.56 ID FIAR9bk5 決定的であった。その瞬間彼女は、自身の願望が一片も叶えられはしないことを心底から悟った。彼の目は決して自身を向いてはい ない、例え抱かれていてもそれは好意によるものではない。今までの全ては無為であったのだと気が付き、願望は砂地に水が立ち消え るが如く霧散した。そして途端心内に、この想いを断ち切らねばならないという決意にも似た覚悟が芽生えたのだった。 嫉妬ではない。寧ろ、武蔵はそれを分からせるために提督に跡を残したのかとも考えた。だが幾ら予想を立ててみた所で、それは本人 にしか分かり得ないことであったし、わざわざ彼女がそれを告白するとも思えなかった。 提督の怪訝な視線を受けて、自身が再三泣いている事を自覚した。今度は空虚とやるせなさの涙であって、もうこの数ヶ月で全ての 涙を制覇した気にもなる。 早急に区切りをつけなければならない。そう思い至ったのは、元よりの彼女の性質の為か、或いは傷付き過ぎた心が自衛として仕向 けた事なのか。 思考の纏まるより先、言葉が口に上った。それは奇しくも、最初の夜と同じような心地であった。昂ぶった感情と、どこか冷静な客 観。そして何より、自分の楽を求める為だけにするという、エゴの自覚。 「提督、私を抱いてください」 嗚咽交じりに吐き出された言葉は、どこか床へ沈殿するようだった。 「もう、もうこれで終わりにします。抱いてくれさえしたら、もう普通だった頃に戻りますから。……抱いてください。でないと私、 何時かあなたを殺してしまう」 それから泣き声だけの静寂が、厭に長く経過した。 提督は彼女に歩み寄ると、髪を梳くように撫でてから背中へと手を回した。 褥に座り、浜風は何よりも先にキスをせがんだ。唇と口腔へ望んだ感触が得られるや、それまでの後ろめたい陰鬱は歓喜によって吹 き飛ばされた。飽きることなく吸い吸われ、いよいよ息づかいの切なさ極まり、彼女は自ずからセーラー服のボタンを外す。彼の後頭 に掌を当て一時も離れないようにすると、後は舌根が疲れ果てるまでひたすら接吻を続けた。 服を脱ぎ去るのは早かった。何時もは皺にならないように畳むそれも、脱げた側から捨てるように放る有様。提督が彼女を組み伏せ ば、下着や上着の幾らかは折られたまま背に押し付けられた。流石に気を遣い、引っ張り抜く為身を起こそうとした彼であったが、浜 風はすかさず首に手を掛け離反を許しはしなかった。そのまま怒った風に烈しく口へ吸い付き、舌の運動は益々苛烈になる。唾液の零 れるのを厭わず、どちらの物とも知れない雫が頬を滑ってもそれを掃いはしなかった。 148 :139:2014/05/20(火) 23 49 43.08 ID FIAR9bk5 「いい加減、苦しい。がっつき過ぎ」 肩を押さえ、無理やりに体を話した提督は息も絶え絶えそう言った。彼としては半ば冗談のつもりで放った言葉であったが、つと見 下ろせば彼女の眼は潤みを湛えている。やはりそういった所について、提督は浜風を好んではおらず、僅かに沸いた苛つきから表情を 保つのには労をとった。 堪った鬱憤を晴らすかのように、彼は双丘の片方を乱雑に掴んだ。指や掌が捏ね、のたうち動くと、乳房は従順に波打った。数多愛 撫を受け続けてきた浜風は、痛みと快楽の境界にあるようなこの荒々しい行為に、しかし被虐の悦を享楽している。 「もっと、ください」 嬌声の最中、自身でも羞恥を感じるほどの声音で彼女は言った。提督は白く細い首筋へ唇を近づけ、吸い舐め弄ぶ。 接吻は首筋のみに留まらず、耳の端、鎖骨の窪み、頤などにまで及んだ。その悉くが切なさを際立たせる性感帯。行為の度に思うこ とではあったが、今回は一層、そういった慣れを垣間見るといよいよ心苦しくなるのだった。 仕返しをする心緒に浜風はぐいと彼を抱き寄せ、その首筋、既に刻まれた跡を上書きするが如く吸った。充分すぎるほどに経過して 一舐めした後口を離すと、そこは虫刺されやら打撲痕やら、そういった言い訳の聞かぬほど婬猥な造形に紅く染まった。 胸のすっとするような心地に恍惚があり、蕩けた眼に再びキスをせがんだ。唾液の跳ねる音を聞きながら、まさしく恋人のような睦 み合いをしている事。それが悦びの極地なのである。呼吸の合間、浜風は身を捩ると提督の下を抜け出した。 「どうしたの」 「口でします」 言うと同時、彼の寝巻き甚平の下へ手を掛ける。 露出したそれが硬度を持っているのを見て、言い得も知れぬ満足感が湧き出した。感情は兎も角、肉体的には発情しているのだという 事実に、鬼の首を取ったような心地になる。浜風は得意なままに、肉槍へ接吻したのだった。 竿の根元から舌を這わし、時折唇で挟むようにした。膨らんだ部分に辿り着けば再び根元へ戻っていって、ぴくりと反応を寄こす所 を見つければ執拗にキスを繰り返す。 しばらくの後、陽物の先端には付着した唾液とは別の雫が、一粒の玉となって溢れていた。彼女は一旦口を離すと、とうとう陰茎の 先からを頬張っていった。 無理に喉まで押し込もうとはしなかった。苦しくなる限界までで妥協して、代わりに亀頭の返しや膨らみを舌で舐めまわしていく。 時折、口腔内に苦く潮っぽい味が広がって、彼女は眉を顰めた。とても美味しいとは言えないそれは、だが確かに幸福の味でもあった。 嚥下すると彼のものを体に取り込めたという悦が、より興奮を促してゆく。 顎の疲れに一旦の小休止のつもりで口を離すと、提督は彼女の肩を押してゆっくりと蒲団へ倒した。物足りないという気にもなった が、彼の眼光には先に進む意思が見て取れて、途端不満は消失した。 149 :139:2014/05/20(火) 23 53 12.26 ID FIAR9bk5 提督は確認するように、彼女の陰唇を指でなぞった。そこは既に湿潤に蒸れ、指には多分に愛液が粘る。竿の先を宛がって、彼女の 様子を見下ろしてみれば、肩が異様に持ち上がり掌はぎゅっと握りこまれていた。 「するよ。力抜いて」 肩や手をとんとんと叩かれ、浜風は羞恥に頬を赤くした。言われるがまま息を吐き出し、体中の力を緩めた瞬間、烈々とした異物感が 下から込み上がってくる。 臓腑を直接押されるような苦しさであった。熱さと、痛みと、圧迫感。待ちに待ち望んだ歓喜の苦痛に、だが違和感もあった。彼女は すぐにでも、また肉槍による衝撃が下腹を突くと身構えていたが、提督に一向動く気配はなかった。彼は入れたままに髪や頬へキスを し、小さい子をあやすが如く頭をよしよしと撫でている。 屈辱でもあった。元より昂ぶっていた感情が更に波風を荒らげて、冷静さが悉く消え果てる。彼女は怒りに口を開き、叫ぶようにし て言った。 「動いて、動いてください!」 「生娘が生意気言うよ。辛いでしょ。しばらくこのままでいい」 それを聞くと、途端口惜しさに詮方無く悲しいやら嬉しいやらの胸の痛み。一体彼の気持ちはどこに向かって、そして自身の気持ち は何を目指してと言った台詞が頭の中をぐるぐると巡った。 「……優しくしないでください」 か細い哀れな懇願は無視をされ、益々惨めな気になりながら、それでも確かに欣喜がある。彼は優しく接吻すると、ようやくじれっ たい速さに動き出した。 鈍痛和らいで、下半身のみが自分の体から切り離されたように感じる頃、彼の温かみが腹内に広がった。それが唯一の、この恋慕に よって得られた証でもあった。そして彼は引き抜かれ、尚浜風は死体のように動かなかった。 終端の景色を目の前に、彼女の胸中には何もない。穴の広がり続ける虚無が、ずっと地平まで続くようだった。目の前の男への愛し さは、だがそれも寝て起きれば忘却の彼方に捨て去る約束である。無常へ寂寥を思うに、体の熱が熱すぎた。 事後の処理を終え、隣に彼が寝そべった。最後に眺める事のできる横顔であるし、最後に感じられる体温でもある。何もかもが、終 わり。そう思うと途端胸が一杯になって、思わず提督の手を握っていた。果たして、握り返される事はなかったが、それでもいいと本 心から思えていた。 眠りにつくまで、枯れた涙の辛さが心を抉るように痛めつけた。 150 :139:2014/05/20(火) 23 54 25.83 ID FIAR9bk5 以上でシリーズ完結です。長々と失礼しました。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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■金剛型姉妹ネタ 323 :名無しさん@ピンキー:2013/10/11(金) 21 48 14.23 ID 1fsvDKeT 提督が他の姉妹にじゃれつかれてるのを見て最初はぐぬぬってしてたのに何時の間にか好きになってしまった比叡さんのSS下さい 324 :名無しさん@ピンキー:2013/10/11(金) 22 00 30.34 ID 8/YMNINo 比叡はそんなこと言わない …うん、ごめん なんというかつい 325 :名無しさん@ピンキー:2013/10/11(金) 22 34 58.69 ID N+u+5Qxm 324 それ地味にツボるからやめろww 嫌な事件だったね… 326 :名無しさん@ピンキー:2013/10/11(金) 22 42 49.93 ID mOSP1AEm 正直申し上げると比叡は書きづらい。 比「もおお、金剛ねえさまはなんで提督がいいのかなあ。誰とでも仲良くしちゃって、艦むすなら誰でもいいみたいなのに」 霧島「そうかしら? 提督って、男としてはかなり素敵よ。すごく気づかってくれるし、マメだし、私たちと仲良くしてもしすぎないし。あの距離感、わたしは好きだけど」 比「霧ちゃんもなのお?」 霧「秘書艦をやっても居眠りばっかりじゃ見えないと思うな、あの人の良さ」 比「ぐぬぬ。よおし、提督だって男なんだから、ちょっと迫れば簡単にデレデレするんだってのを、金剛ねえさまに見せてやるんだから!」 いろいろあって結局 比「あっあッこれ提督のコレすごいっんあっあっ男の人って気持ちいいっあんッだめえもうダメえっ」ドゥビュルブルブビビュルブブリュ さらにいろいろあり 比「金剛ねえさまには負けません!」 金剛「ワーオ、妹から宣戦布告されたデース! ワッタハプン!?」 みたいなのしか思い浮かばん。 327 :名無しさん@ピンキー:2013/10/11(金) 23 03 38.59 ID eyXQD3sb 別バージョンだと金剛と提督に二人がかりで食われるパターンだろうか 328 :名無しさん@ピンキー:2013/10/11(金) 23 07 22.20 ID hLV6pst+ もう5Pでいいと思う 331 :名無しさん@ピンキー:2013/10/11(金) 23 30 00.03 ID 2XzuCf5B 「でもさぁ姉様。あんな男のどこがいいのよ?」 唐突に言葉を発したのは、金剛姉妹次女の比叡。 彼女は姉である金剛が提督と呼ばれる男に首っ丈なのが気に入らないのか、そんな質問を金剛にした。 「ン? あんな男? もう一度言ってみなサイ?」 「いや、貶す様な意味合いではなくて……その。彼の魅力というのかな」 威圧するような態度に真顔でもう1回言ってみろという金剛の様子に、地雷を踏みかけたと比叡は即座に否定をした。 なるほど、そういうことネ! といつもの金剛に戻り、ほっと溜息を吐く比叡。 さしずめ、こんなつまらないことで姉様に嫌われたらたまったものではないといった様子か。 「ンン~……そうだネ~~……」 なんだよ自分でもわからないのかよ、なんて比叡は思わない。 ただ、魅力も無いような男をなぜ慕うのか理解に苦しむというような面持ちで、返事を待った。 「……形容し難いネ」 つまり、どういうことなのでしょうか……? そうぼそりと呟くと、金剛が今まで比叡には見せたことのない笑顔でこう答えた。 「一緒に居ると、なんだかすごい元気が出るのデス! そう、とてもwarmな気持ちになるのデス!」 姉様が提督のことを想ってこんな表情をするなんて、と考えいるのか、彼女からはドス黒いオーラが滲み出ている。 「! 比叡、提督の秘書になるネ! 提督と一緒に居れば、提督の魅力が理解できるはずデス! 我ながらGood ideaなのデース!」 比叡は思い至った。それもそうかもしれない。 姉様をここまで虜にするあの男には、何かしらの魅力が絶対にあるはずなのであると。 姉を誑かす男が憎いというよりは、自分もあの人のことをもっと知りたいという欲求のほうが勝っているようであった。 もとより信頼はしているのであるし、言われてみればなんとなく自分も理解できるかもしれない。 もしかすれば、姉様のいう暖かい気持ちというのが、わかるかもしれない。 「それはいいですね、姉様。早速提督と掛け合ってきます」 ガンバッテネ~と応援してくれる金剛を背に、比叡は部屋を飛び出した。 この後、姉を出し抜いて比叡がその男と共に一夜を過ごすのは、そう遠くなかったとさ。 だめだ全然考えられん。始めてまだ3日じゃ厳しいものがあるな。 338 :名無しさん@ピンキー:2013/10/12(土) 01 24 54.18 ID x/hsQwn+ まぁ確かに榛名が未だ0ってのも意外よね 「本当にいつも助かってる。お礼に何かしてやろうか?」 「そんな…当然の事をしたまでです。特別なお礼なんて、榛名にはもったいないです」 いつものように健気な榛名につい軽口をたたいてしまう。 「ははは、そう言うな、なんなら添い寝でもしてやろうか?」 冗談で言った言葉に榛名は顔を真っ赤にする。 「す、すまん。冗談にしても質が悪かったかな…ははは」 「え…じょ…冗談…ですか…」 俺の言葉に明らかに落ち込む榛名、慌てて言い訳をする。 「い、いや!冗談というかだな、榛名さえよければ…その…」 慌てて言い繕う俺を顔を赤らめた榛名が見つめる。 「…提督は優しいのですね。榛名にまで気を遣ってくれて その…榛名でよろしければ…」 そういう榛名にこちらも顔を赤くしてしまう。 「あ…うん。…その…じゃあ今晩な…」 みたいな純愛路線パターンAか 「ヘーイ、テートクゥ!!」 「ん? 金g…グハッ!」 ゴツンという大きな音。 振り向いたとたん勢いよく抱きついてきた金剛の不意打ちで廊下の壁に後頭部をぶつけ 俺の意識は遠のいていった…… 「…お、お姉さま…」 「ア、アハハハハ…ちょ、ちょっとした happeningネ」 「い、いえ。それよりもはやく医務室にお連れしましょう」 榛名の言葉にん~…と金剛が腕を組んで考え込む。 「どうせなら入居したほうが早く治ると思いませんカ? Early! 提督をお風呂に連れて行きまShow!ほらほら、榛名も手伝うネ!」 「え!? で、でも…」 姉のしようとしていることを予測して頬を赤らめる榛名。 「ン~、榛名ってば意外と鈍いんデスネ~ 榛名もテートクの事が好きだって言うの、ワタシ知ってますよヨ?」 「そ…そんな…榛名は…」 「ワタシとしてはテートクとのLoveも大事デスけど 榛名の気持ちだって同じくらい大事デスからねー」 「お姉さま…」 「ほらほら、わかったら早く運ぶのを手伝うネ!」 「は、はいっ!」 みたいななし崩し3PのパターンBと Bに比叡霧島加えたパターンCといろいろ思いつきはするのだが どれがいいかねぇ まぁ今日は酔っ払ってるので書くとしても後日ではあるのだが 339 :名無しさん@ピンキー:2013/10/12(土) 01 33 03.16 ID 4MwrYHQo 338 全部書いたら選ばなくていいんじゃん? とりあえずA 340 :名無しさん@ピンキー:2013/10/12(土) 02 08 29.33 ID Zg9U00F3 非番の日に外出許可をもらい、街に買い物に出た榛名(非武装・私服)は、 商店街の福引きで特賞のペア温泉旅行(海辺の旅館で二泊三日)を当ててしまう。 これをふだんお疲れな提督にプレゼントして骨休めしてもらおうとしたが、 「ペアならお前と行きたい」と言われて榛名大興奮。 かわいい水着とランジェリー(翔鶴の入れ知恵によりヒモぱんつ)を買って、提督に操を捧げる覚悟完了。 榛名ちゃんの二泊三日の大冒険。 うん、これ長くなりそうで大変だ。 ■酔っ払った時の金剛四姉妹の反応 375 :名無しさん@ピンキー:2013/10/12(土) 23 56 40.94 ID kpRMIzTw 酔っ払った時の金剛4姉妹の反応の想像 (全員提督好きという前提) 金剛 「ヘーイ、テイトクゥ!飲んでマスカー? とかいいながら抱きつきながら酌してきそう、あんまり普段と変わらない。 あと地味に酒に強そう。 むしろ酔った提督が襲ってきたらウェルカム 比叡 「提督ー! あんまりお姉様に対して変なことをしようとするのは許しませんよー!」 とか絡んできて、「え、変なことってどういうこと」ってとぼけて聞くと真っ赤になって口ごもっちゃって 「へ、変なことは変なことですっ!!」って拗ねたところを「わかったわかった」って頭撫でてやると 頬をふくらませながら赤面で撫でられるがままという感じ。 榛名 上のSSとかもそうだけどたとえ乱れるまではいかなくても 酔うと一転ずんずん迫ってきて「提督は榛名のお酒が飲めないんですか~?」 とか据わった目で言ってきそう。次の日に記憶が残っていないタイプ。 霧島 超酒豪っぽい。 提督を酔わせてここぞとばかりに酔ったふりして自分から誘惑して 仕留めようとしてきそう。 「計算通り(ニヤッ」 ってなんとなく思った 376 :名無しさん@ピンキー:2013/10/13(日) 00 04 26.37 ID cahhyUFt 375 黒霧島か(酒だけに 377 :名無しさん@ピンキー:2013/10/13(日) 00 23 03.70 ID RAy/Xb/A 金剛「ワタシ最近、ジャパニーズ・サケのおいしさを勉強してマース! そこで提督としっぽり飲むためにコレ買ってきたね! 岡山県金剛酒造の純米吟醸『金剛』デース!」 比叡「ええっ、金剛姉さまもなの? 私もこ、これ持ってきたの。滋賀県の『比叡の寒梅』・・・」 霧島「男は黙って焼酎よ提督! 『黒霧島』、はいっどうぞ!(ドンッ)」 榛名「群馬県のお酒です・・・本醸造『榛名山』」 陸奥「青森県、特別純米酒『陸奥八仙』、出します!」 提督「俺はたしかに日本酒好きだがな、殺す気かお前ら!」 379 :名無しさん@ピンキー:2013/10/13(日) 00 24 52.15 ID UP7AyB3Y 霧島さんが殺しに来てる…… そして1人くらい呉鶴もってきてくれても・・・ 380 :名無しさん@ピンキー:2013/10/13(日) 00 44 06.99 ID RAy/Xb/A そして最後に無言で『加賀美人』のビンを差し出す加賀ちゃん。 381 :名無しさん@ピンキー:2013/10/13(日) 00 45 05.27 ID cahhyUFt 軽巡以上は大概「酒」になってる気もする 382 :名無しさん@ピンキー:2013/10/13(日) 00 54 10.57 ID RAy/Xb/A そのものズバリ艦名が酒の銘柄っていうのは『金剛』以外もけっこうあって、 『さみだれ』っていうのもあるし『朧』や『あぶくま』、『如月』とかもあるのよ。 艦むすの名前は銘にしやすいのばっかりなので。 383 :名無しさん@ピンキー:2013/10/13(日) 02 16 05.64 ID 2vfJOAE5 霧島は「黒」以外にも、「赤」、「白」、「金」があるしな。 ■ひええ・・・ 469 :名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 14 00 41.26 ID 71uNFyTw 金剛に榛名、霧島、摩耶、日向、足柄がSS主演処女を失った今、 ,,. . ≧=-=ミメ //〈/ 7 ⌒ .`ヾ、 __i. //. . . ./ . . ./\. . .V 〔__}]. ..厶イ. /し ー 、 .}ヘ /. /厶イ/ ● ● ト{__/ . 厶/. 人_ u /`ー‐ 、u |i . 厶イハ小 、 / / U八 . /Vヾト、`二 ´_,,.イ/ / ∧ ∨ヽ//|⌒\ /⌒\/ ハ ∨// .|、 /ス 470 :名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 14 05 27.44 ID +PSK/ZmK ひええ・・・ 471 :名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 14 41 29.62 ID Nk413wTj 比叡さんはハプニングπタッチや裸見られるぐらいないと意識しなさそう 472 :名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 15 58 48.22 ID BicaHjde 「金剛お姉様は渡しませんよ!」とライバルとしか思われてないのをいきなり布団に押し倒して「……へっ?」 ってのはどうでしょ>比叡さん 473 :名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 16 05 17.76 ID 71uNFyTw ,,. . ≧=-=ミメ //〈/ 7 ⌒ .`ヾ、 __i. //. . . ./ . . ./\. . .V 〔__}]. ..厶イ. /し ー 、 .}ヘ /. /厶イ/ ● ● ト{__/ . 厶/. 人_ u /`ー‐ 、u |i . 厶イハ小 、 / / U八 472 もうちょっと・・・・・・なんかない? . /Vヾト、`二 ´_,,.イ/ / ∧ ∨ヽ//|⌒\ /⌒\/ ハ ∨// .|、 /ス 474 :名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 16 08 22.49 ID +PSK/ZmK 比叡単体で考えるのは難しそう 金剛と一緒にだったら丸く収まりそうな気もしなくもない 475 :名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 16 08 38.90 ID FY9COVzV やはりここは金剛ちゃんの手を借りるべきです 提督と金剛ちゃんがやってるのを見ながら1人でいじってるところで 声漏れからバレて三人目として巻き込まれるパターンです 476 :名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 16 20 15.14 ID 71uNFyTw _ _ | / ミ ヽ /ノ |/ )ノ ィ´ / _ _ ィマ ィ´三 ̄三ミヽ > / ´ ィ / ̄ ̄\ / // ..マト >´ ィ ィ ´ \ ヽ´ソ i /|/i リハ ム ィiィ  ̄ ̄ ̄ノ 、 ` ― つ \__/ リ |イ/\! ノ リム ム > ´《 ∨ /  ̄, 、 ヽ、 ― ´ イ三ムゝイ ィム芯 ´ ―‐| ∨ム / ヽ ∨ィ‐ < >、ヽ ――、 /三ト彡ノ リ´`i ト、ゞ=ィ ` 芹ム.| ト ム / 、 |> ´ ` ノ ゞマ彡イム i | | ヽイ/ | マヽ / ̄  ̄ \ \ | | マ彡ノ三三ゞi | | ( ソ / | __ィ´イ / \ ゝ、 ノ イイ三彡川 | | ト ィ ´ ` フ//ハ ./ \ ` ゝ ´_/ ゝ≡イゝ川 | | | `>,ィ ´ / //ィ / ゝ、 \ `ソ ̄ ̄ / / | | | / / i /// ―、___ ィ――‐ ´ / /| | | ィ / / | i / / ―、_/ / / / ´/ / イ/ /. / 、_ ― ´ > / ´y ´〆〆 ハ .// ィ‐. / / / / 〆〆 / i `ヽ, /// / 475 それ採用デース! / ´ | / /}{ 〆〆ィ | | ィ/// / | ´ ∨ / { ゝ〆 |. | | レ > ヽ/ } / . . . .ヽ.|. | / ィi 478 :名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 17 43 18.58 ID FY9COVzV これは 476に期待してもいいんでしょうか 480 :名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 19 29 45.87 ID REZ2lAWC 475 いや、言い出しっぺは君だろw
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753 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2015/04/26(日) 22 40 04 ID A.Hm0BbU [1/9] 宗教ができる程多数の提督を骨抜きにした艦娘は魔性と言えるのではなかろうか。 世に文月のあらんことを ある意味鬱&ガイキチ?なネタ投下します 754 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2015/04/26(日) 22 42 38 ID A.Hm0BbU [2/9] 発 第404特別任務艦隊442分遣隊研究班 軽巡洋艦大淀(ID:YTS731141CL) 宛 第404特別任務艦隊第61研究室主任研究官殿 鎮守府内執務室内装の提督及び艦娘の行動への影響に関する実験についての報告 上記の実験について簡潔に報告する。 本実験は、執務室の内装の変更が提督及びその指揮下にある艦娘に対してどのような影響を与えるかについての実験である。 今回の実験は、以前より所謂「教室」と呼ばれる内装の組み合わせ(以下教室)について 以前より羽黒、香取といった特定の艦娘の提督との肉体関係に発展する確率が他の内装の組み合わせ(以下内装)と比較して格段に上昇する現象が 報告されていたことから、その他の艦娘における変化の有無を調査することを目的としている。 実験においては無作為に選定された被験艦隊(以下艦隊)及び、同艦隊指揮官(以下提督)を『バーカウンター設置による提督及び艦娘の嗜好、性格及び行動の変化に関する実験』 と同様の条件で教室での変化の有無を検証する(艦隊及び提督に関しては資料1を参照)。 尚、実験を行った艦娘の人数が多数であるため、本報告においては特異な例のみについて取り上げる(全艦娘及び提督の調査結果は資料2を参照)。 「あら、模様替えなさったのですね」 「ええ。なんでも上から実験に使うからと…」 落ち着かなそうな提督を見て、鳳翔はくすくすと笑う。 「しかし、何と言うかこう……落ち着かないというか…」 「あら。なかなかお似合いですよ。先生」 「よしてください。尻がかゆくなる」 苦笑いする提督だが、鳳翔の方は意外にも生徒用(と思われる)机にちょこんと座っても違和感がない。 正規空母たちに比べれば小柄な彼女だが、年嵩な印象に反して何とも奇妙なものだ。 「ところで提督、あの子たちはどうです?」 「ええ。みんな良くできます。遠征でもだいぶ助かっていますよ」 鳳翔の言うあの子たちとは、彼女が以前引率していた駆逐隊のことである。 この艦隊に加わった駆逐はみな、彼女か天龍の引率で遠征をこなすのが恒例となっていた。 「やはりコーチが良いと違いますね」 「あら、そんな。うふふふ」 ちょっと恥ずかしそうに、だが嬉しそうに笑う鳳翔。 柔らかな日差しの下、和やかな雰囲気が満ちていた。 事例1 軽空母鳳翔(ID YT107442815CVL) 艦娘の性格、行動については変化が見られないが、提督は実験後に「保護者会や父母面談を髣髴とさせる」と述べており、 教室が提督に教員あるいはそれに類するものの疑似体験をさせるという結果が得られた。 尚、この実験結果は被験者である艦娘の性格及び外見的特徴に起因するものと推測される(資料4)。 「てーとくー、なんか瑞鶴ちょっと退屈なんだけど~、ふてくされるぞー」 「もう少しで終わるからちょっと待ってろ」 座ったまま伸びをしながら瑞鶴がごちる。 何もしないで座ったままというのは苦痛に感じる者は多い。 ましてや、唯一同室の男が相手をしてくれず、無駄話にものってこないとなれば自分の仕事が終わってしまえばひどく手持無沙汰なものだ。 机に頬杖をつき、特に見るでもなく窓の外をぼんやりと眺める瑞鶴。 (いい天気だなぁ……あ、あの雲加賀さんに似てる) 不意に書類から顔を上げた提督の目に、そんな瑞鶴の横顔が映る。 ぱっちりとした大きな目、翔鶴の横に並んでいると目立たないが、意外にも色白な頬とその頬を覆っている弓を引く割に細く見える指。 健康的な色の唇は差し込む日光を受けて瑞々しく縁どられている。 案外、それらしく着飾らせて何も知らない人の前で黙っていたらどこかいいところのご令嬢に思われるかもしれない。 「ん?何?提督さん。私の顔に何かついてる?」 提督の視線に気づいた瑞鶴がふとそちらを向く。 「いや、可愛いなと思って」 「なっ!?」 提督はほぼ無意識のうちに言った。 ぼーっとしていたのではあるが、目の前の相手が白い頬を赤く染め上げ、耳の端まで茹だっているのを見ても、 まさか自分が思っていることをそのまま口に出したとは気付いていない様だ。 「なっ……えっ、かわい……と、突然何言って……っ!」 「うん?俺声に出してたか?」 「えっ……もうっ!馬鹿ぁ…」 一人赤くなってぶつぶつ言っている瑞鶴。 「提督は不意打ち過ぎるよ……」 「不意打ち?何がだ?」 精神疾患を疑うレベルに鈍い提督。 事例2 正規空母瑞鶴(ID YT302142739CV) この事例においても提督の言動に変化が見られ、艦娘の感情の変化に鈍感になる。 それに関連して艦娘側の想定していない好意の表明を行うといった所謂『日常系ハーレムラノベ』に近い状況が発生している。 また、こうした現象は古鷹型、青葉型、最上型等の重巡洋艦にも見られるが、全く発生しない艦娘(事例1の鳳翔等)も複数確認されており、 全容の解明には更なる研究が必要と思われる(資料5)。 夕焼けに染まる鎮守府の外れ、一人の男がオレンジの海を見て黄昏る。 海風に吹かれながら遠くを眺める彼の背後に人影が一つ。 「来たぜ。“約束”通り」 人影が男の背中に投げかける。 男は振り返り、人影を真正面から睨みつけると、咥えていた煙草を吐き捨て、足で踏み消す。 「おう。待ってたぜ……この“時”をよ」 そう言って男―提督は不敵に笑い、人影―武蔵も応じて笑う。 「んで、本気かい?」 武蔵が問う。 「決まってんだろ?そのために呼んだンだからよ」 提督が答える。 問答のさなか、二人はゆっくりと歩くように距離を近づけていく。 「へえ……随分と“気合”入ってるんだ……なっ!!」 二人の拳が同時に飛び、互いの頬にめり込む。 クロスカウンターの形となったまま、拳がめり込んだ真上の目が互いを捉え、いびつに変形した口角がにやりと歪む。 赤い世界のただ中で、二人が吠える。 事例3 戦艦武蔵(ID YT719462214BB) この事例においては艦娘と提督に同様の変化が見られた。 両者とも実験前より粗暴な言動が目立ち、好戦的な性格となり、また、普段喫煙の習慣のない提督が喫煙する等、生活習慣においても変化がみられる。 こうした変化は主に夕方、特に日没直前において顕著となり、今回のケースでは乱闘にまで発展してしまっている。 これについて提督、武蔵ともに「教室で夕陽を見ていたら殴りあわなければならないような使命感を感じ、そうすることで友情が芽生えるような気がした」と証言している。 同様のケースは他の艦隊での戦艦霧島についても報告されている(第441分遣隊17次報告)が、武蔵、霧島以外には確認されておらず、 今回のケースもそのケース同様、実験以前は提督、艦娘ともに凶暴化の兆候が一切見られない事からこれも教室の効果と思われるが、詳細は不明である。 尚、この乱闘により提督が負傷したが、実験の継続に問題は無いと思われる。 「さて……」 報告書を書き上げて、ふうと一息つく大淀。 「困りましたねぇ……実験中止とは。治療すれば続けられると思ったんですけど…」 彼女の報告書を見た第61研究室の回答は『被験者の心身に重篤な損害を与える恐れあり』として実験を中止するというものだった。 「私も楽しみにしてたんですよ?提督との教室プレイ」 そう言いながら大淀は席から立ち上がり、それまで背を向けていた部屋の中に振り返る。 コンクリート打ちっぱなしの壁と床に、鉄格子の嵌められた窓。 部屋の隅に置かれたこの部屋唯一の家具といえるベッドには提督が仰向けに横たわっている。 「でも、いいです。こうして二人きりの実験が出来るのだから」 大淀は報告書を書いていたPCの方をちらりと見る。時間だ。 「さあ提督。実験の時間ですよ」 そう言ってベッドに近づく大淀。 提督は虚ろな目をしたまま動かない。死んではいないのだが。 「楽にしていてくださいね」 大淀は提督のズボンを下ろすと、むき出しになった一物を自身の手で包み込み、丁寧にこする。 大淀の指が繰り返し刺激することで、一切反応を示さない提督とは対照的に一物はむくむくと大きくなっていく。 「あはっ、提督お元気ですね」 やがて自分の掌で収まりきらなくなったそれを嬉しそうに眺めながら大淀は言う。 「じゃあ始めましょう」 言うなり彼女もスカートをおろし、下着も脱ぐと、露になった下半身でベッドによじ登り、提督の上に立膝で立つ。 その股ぐらは湿って、雌の臭いがしている。 「んっ……」 反りかえった一物の上に跨り、自分の中にそれを入れていく大淀。 大きなそれは、彼女の中をこすりながら進んで行く。 「んっ…、あっ……、入りました」 しっかりと銜え込むと、大淀の両手が提督の腰を掴む。 「くっ…、さあ、行きますよ……あっ、んあっ…!!」 自分の腰を提督に押し付けながら、大淀が声を上げる。 「あんっ……あっ、ああ……っ」 提督の上で腰を振り、その度に嬌声を上げる大淀。 動きが大きくなるに比例して、その声も大きくなっていく。 「あひっ!て、提督っ……!いっ、いい…っ!あんっ!!」 肩で息をしながら一際大きく動き、声を上げる。 そこに普段の冷静で理知的な彼女の姿は無く、ただの雌が一匹。 「あっ、ひっ、ああっ!!あんっ!提督!提督っ!!あっ!あああーっ!!」 大淀の絶叫。 二人の間から提督の白濁が溢れ出る。 ぴたりと動かなくなった大淀は、肩を弾ませながら提督の上で恍惚の表情を浮かべる。 「ああ……中に、提督のが膣内に……いっぱい……あはっ、あははっ…」 虚空を見つめて大淀が呟く。 ふうと息をつくと提督との結合を離し、ベッドから降りたが、その目は自身の白濁でコーティングされた提督の一物に向いている。 「あら、まだ残ってますね」 嬉しそうにそう言うと大淀はベッドの脇、丁度提督の股の間にひざまずく。 「大丈夫。私がきれいにしますね」 そういってぬらぬらと光る一物を咥えると、舌先で丁寧に舐め上げた。 「んっ…、んっ、んっ」 舌がくまなく何度も一物を往復し、くちゅくちゅと湿った音が二人の間に響く。 不意に一物が再度硬直化し、再び白濁が噴き出る。 突然のことに一瞬むせた大淀だったが、一度口を離し、溢れて顔についた分も指でとって舐めると、母乳を求める子牛のごとく、再度一物に顔を突っ込む。 「んっ!ぷはっ!ふふふふ、提督まだ出るなんて……よっぽど気持ちよかったんですね。うふっ、嬉しいです」 二人の間が再度淫らな音を奏でだす。 その様子を天井の監視カメラだけが見ていた。 発 第404特別任務艦隊443分遣隊研究班 軽巡洋艦大淀(ID KTS510466893CL) 宛 第404特別任務艦隊第63研究室主任研究官殿 『鎮守府内執務室内装の提督及び艦娘の行動への影響に関する実験』における没入症状についての経過報告 上記の件につき簡潔に報告する。 先日行われた『鎮守府内執務室内装の提督及び艦娘の行動への影響に関する実験』(以下教室実験)において、実験中の被験者負傷により実験が中断された際、 試験管であった軽巡洋艦大淀(ID YTS731141CL)がこれに強硬に反対。 試験管というロールへの没入が見られ、これが他の艦隊で行われた同様の実験においては見られない特異な現象であったことから、この艦娘のみ資料1の状況下での試験を行うものである。 内容としては、艦娘と提督の生殖活動による艦娘の能力及び人格への影響の調査と艦娘のみに伝えており、艦娘に対し彼女が試験管であると伝えてある。 実験開始から72時間が経過した時点で重度の没入症状がみられ、症状はレベル4まで進行している。 この実験及び教室実験が被験者の置かれている状況と言う意味で所謂スタンフォード監獄実験の再現になりつつあるとの意見もあり、 提督及び艦娘に重大な身体的、精神的障害をきたす恐れがあるため、実験の中止を提案する。 761 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2015/04/26(日) 23 00 02 ID A.Hm0BbU [9/9] 以上スレ汚し失礼しました。 底辺文系出身者が頑張ってレポートっぽく書いてみるテスト 762 名前:名無しの紳士提督[] 投稿日:2015/04/26(日) 23 23 31 ID wQlHx2eE [4/4] GJです! 763 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2015/04/26(日) 23 57 10 ID nKQvwvXE 武蔵ノリ良すぎワロタ 二次元においての眼鏡キャラは基本サイコだからね仕方ないね 乙GJ これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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669 :練習は大事だと感じた日―バレンタイン編―:2016/02/14(日) 18 54 45 ID 9VTy/C22 2月14日は…… 「ビスマルクと伊良湖の誕生日だったよな、今日は」 戦艦ビスマルク、及び伊良湖の進水日であり、 同時にその艦の力を行使できる艦娘の誕生日でもあった。 「そうか。後で何かあげないとな」 「瑞雲でも送るのか日向」 「まあそうだな。君は何を?」 「提督として間宮のタダ券をあげたよ」 「そうか。ところで鹿島の姿を見ないが彼女はどうした?」 「鹿島は挨拶に来た新艦娘達と話をしているよ」 だから始業前の準備は日向に手伝ってもらっていたのだ。 「特訓を終えて正式に艦娘となった者達か……」 「最近は作戦にあわせて正式な艦娘として登録されるからな。 昔は作戦以外の時期にも正式な艦娘が誕生していたからな。 それとイタリアから日本にやって来た艦娘も一人いる」 「そうか。ところで今朝入ってきたニュースだが、霞達が大活躍をしたらしい。 詳しい話はまだわからないがこの鎮守府から出撃した艦娘達が活躍するのは鼻が高いな」 「そうだな。みんな若いのによく頑張っている。 それに比べて何も出来ない俺ときたら…」 「みんな若いって……君も今年三十になるところではないか」 「だけど俺は彼女達と同じような年齢だった頃には今程真剣に生きていなかったから、 幼い頃、若い頃からしっかりと立派に頑張って輝いている彼女達を見ていると 何の考えもなく生きてきた昔の自分が情けなく思えてくるよ……」 「昔の事を悔やんでも仕方あるまい。 それに今でも大きな鎮守府を統括する提督としては十分すぎるくらい若い」 「だが人間というものは無い物ねだりでさ… 俺はやはり若い頃から活躍した、って事に憧れてしまうものだ。 自分が出来なかった事…というかどちらかというと 人生の一番大事な時に回り道ばかりして生きていた事が悔しいんだ。 駆逐艦娘達はみんな艦娘としての業務をこなしながら、 学生としての本分も立派に果たす優秀な子達ばかり。 今の俺はすべき事が提督としての仕事だけであるにもかかわらず 一ヶ月経った今でも一人ではほとんど出来ない始末…… 昔からもっとちゃんとやっていればこんなに苦労はしなかったろうな……」 相手が鹿島じゃないからか愚痴をこぼしてしまっていた。 もし鹿島相手だったなら弱みを見せていないだろう。 「……まるで五月病だな」 「今は二月だぞ」 「五月病は四月に新しい環境に入った人がなりやすいものだ。 君は提督になって約一ヶ月。五月病になる条件と同じだ」 「まあそうなるな」 「確かに未だに一人だけではこなせないが状況を考えれば仕方あるまい。 それよりも過去をただ悔やむのではなくこれからをどうするのかが大事だろう」 「理屈じゃわかってるけどな……」 「……君がここに来るまでに通ってきた道は寄り道や回り道だったかもしれない。 だがもしその道を通らなければここに来ることはなかったと考えたら……」 「ん…………ああ……」 日向の言う通りかもしれない。もし昔の俺が自分の将来を考えて、 真剣に生きていたとしたら鎮守府の一員となり、 そして提督になるという人生とは違う人生を歩んでいたかもしれない。 他に生きる方法ができたのなら間違いなくそちらの生き方をしたはず。 「塞翁が馬と言うが、人生というものは何がどう転ぶのかわからないな。 寄り道や回り道だって自分の望んだ幸せとは違ったものとはいえ 別の幸せへと向かう道だったと、そう考えなければやっていけないな」 「まあそうだな」 「悩んでる暇はない。今日は新たなる艦娘と会うんだ。 気持ちが沈んでちゃみんなを不安にさせてしまう。頑張らなきゃな」 俺は気合いを入れた。新たなる艦娘達に悪い印象は与えられないからな。 そうこうしているうちに時間が来た コンコン 「鹿島です。三名の艦娘をお連れしました」 「わかった。入っていい」 「失礼します」 そう言って鹿島がドアを開けて司令室に三人の艦娘を連れて入ってきた。 「君達がこの度新たに艦娘となった子達、 そしてイタリアからやって来た子だね」 「はい。私は夕雲型駆逐艦、その十四番艦の沖波です。 えっと…はい、頑張ります。よろしくお願い致します!」 まず沖波という少女が名乗った。 眼鏡をかけていて少々おどおどとした感じだが、 精一杯頑張ろうとしている姿勢が伝わってくる。 俺もよろしく頼むと返して次に沖波の隣の艦娘に顔を向けた。 「秋月型駆逐艦、その四番艦、初月だ。お前が提督か」 「ああ」 「ちょ、ちょっと、初月!?」 「気にしないでくれ。『お前』という言葉そのものは 本来は相手を敬っている意味合いの言葉だ」 「そうなのか」 「ああ」 驚いた沖波だけでなく初月自身も言葉の意味を知らず、 一般的に使われる意味合いで使っていたようだ。 「駆逐艦初月はその活躍や最期が正にストロンガーと言わざるをえない艦だ。 君も初月の名に負けぬ活躍をするよう期待しているよ」 「言われなくてもそのつもりさ」 そして俺は最後に初月の隣の子に顔を向けた。 「イタリアから参りました、ザラ級重巡洋艦、その一番艦、ザラです。 巡洋艦同士の昼間水上砲戦なら、誰にも負けない自負はあります」 見た目からして日本人離れしているこの子はイタリアから来た艦娘ザラである。 ザラは駆逐艦の二人とは違って前々から艦娘だった。 「君は艦娘としての経験はかなりあると聞いたが 日本での本格的な活動は初めてだろう。 君も、新人の二人も、これから共に戦うのだ。 互いに色々と知っておくべきだと思い会食の場を設けた。 そこまで案内しよう」 俺達は三人を連れて鎮守府の大食堂に行った。 「対空に優れた秋月型駆逐艦…いつか手合わせをお願いしたいです」 「提督からストロンガーだとか言われていたけど、 なんだか改造人間みたいな異名ね」 「そりゃあ駆逐艦なのにこんなポディ、 改造でもしたんじゃないかって思いたくなるわよ」 「ず、瑞鳳さん、そういう意味じゃないと思います…」 初月は武勇艦である。その為か他の艦娘達の興味を引いていた。 「まるでライダーみたいですね」 「ずばりライダーを指すぞ三日月」 「えっ。でも駆逐艦初月は仲間を逃がす為に たった一人で艦隊に立ち向かい、そして沈んでいった……。 でもストロンガーがそうしたという話は聞いたことが…」 「20年ちょっと前に児童誌に載ってた漫画でな、 脱出するV3達を守る為に一人ボウガンで戦うも弾切れし、 自身は戦闘員のボウガンで撃たれるも それでも倒れる事なく守りきり死んでいったんだ」 「ヒーローが死んじゃうとかどう考えても児童誌に載るような話じゃありませんよ」 「しかもSDだ」 「よくもまあそんな話……昔っておおらかな時代でしたねえ……」 「…………」 「あっ、ごめんなさいね。提督はこういった例え話をよく用いりますから…」 「…鹿島から聞いた通りの人ね。だけど提督としての能力はどうなのか。 私にはあなたは提督としてまだまだだと感じます」 場を凍り付かせるような言葉を口にしたのはザラだった。 「ザラさん」 「日本の中心にあるこの鎮守府は大きな工業地帯の守りも考えて作られたと聞きます。 ならばそこを総轄する者には優れた能力が必要なはずです」 「あんたに提督の何がわかるってのよ!」 俺の能力を不安に思っている (そしてだいたいあってる)ザラに対し 曙は反発の言葉を述べた。 「最近提督となった事は知っています。 この鎮守府の前の提督はイタリアの鎮守府でも名が知れた方でした。 その提督の後任であるこの提督も素晴らしい提督かもしれないと思っていました。 鹿島が恋に落ちて結婚することを決意した相手ですから とてもすごいと感じられるような人だと思ってました」 「司令官に何か落ち度でも?」 「落ち度はありません。人間的にもいい人とは思います」 「そもそもあんたは提督を評価できるほど一緒にいたわけないでしょ! ちょっとの時間で全部を判断されてほしくないわよ!」 曙の言った通りザラは今日初めて俺と顔合わせをした。 事前に話を聞いていたとしても直接目にする機会はなかったはずだ。 他所の鎮守府に知られる程の功績も落ち度も何もない。 「確かに。ただ今は彼からはすごいという印象を感じられないだけです。 仕事をしている姿を見れば少しは違った印象を受けるでしょうけど…… 鹿島が信じた人だから、私も提督の力を信じたいのです……」 仕事をしている姿を見せても彼女が少しは認めるくらいのレベルに 能力が現時点で達しているという自信は今の俺にはなかった。 仕事は大淀に支えられながらであればかなりこなせたものの 大淀が礼号作戦でこの鎮守府にいない今、 鎮守府の機能は十分に発揮されているとは言えなかった。 艦娘達の戦闘訓練の時間を削って仕事を手伝ってもらい 何とか十分に発揮出来ている状況である。 提督として情けない俺だが、経験不足を言い訳にする事も出来ない。 俺を選んでくれた人、支えてくれる人に申し訳が立たないからだ。 俺の気分がよく沈むのもそういった事が関係していた。 「ところでさ…あんたさっきから鹿島鹿島と馴れ馴れしいんだけど あんたは一体鹿島の何なのよ!?」 「……曙ちゃん、ザラは私の昔からの友達なの…」 「昔からの…友達…」 「私達が艦娘になるずっと前、子供の頃からの親友なの」 「子供の頃からの親友?」 「ええ…私は小さい頃から旅行が好きで… イタリアに行った時にザラと知り合って、友達になったの。 それからずっと親交を深めていたわ。 艦娘になる前も、なった後もずっと…… みなさんごめんなさい……ザラが楽しい雰囲気を壊しちゃって…… 彼女は本当はとてもいい子なの……」 「わかってるよ。鹿島が親友って言ってたくらいだしさ。 だけどザラの気持ちもわからなくはない。 自分の友達がもし変な奴との付き合いがあったら…… そう思って心配する気持ちとか、 変な奴に対して何か言いたくなる気持ちとかもわかるよ」 「へ…変な奴だなんてそんな…」 「それにザラは別に俺の事を悪いと言ったわけじゃないし、 少なくともまだ俺に期待して発破をかけてくれているみたいだしさ。 もし問題があるのならどんどん言ってほしいものさ」 「……………提督………」 「ザラ…」 「やっぱり鹿島は間違っていなかったみたいね… …私もあなたに期待できます……」 俺を認め始めるような事を言ったザラはみんなの方に向いた。 「みなさん、このような楽しい場を壊してしまって本当に申し訳ありませんでした」 自分の軽率な行動が雰囲気を壊してしまったと思ったのだろう。 自らの非を詫びる彼女に他の艦娘達もザラを責めようとはしなかった。 こうしてまた楽しい会食は再開されたのだった。 会食が終わり、俺達は午後の仕事が始まる前の小休止をとっていた。 「提督さん、本当にごめんなさい……」 「鹿島、君が謝る事はないだろう。 確かにザラは感情的になってしまったのだろう。 だけどそれは俺と一緒にいる君を心配してつい言ってしまったのだろう。 感情的になった面こそよくなかったが…いい友達を持ったな鹿島」 「すみません…」 「提督、チョコレート…って鹿島さんすみません」 「いいのよ。私に気にしないで」 「すみません…………司令官さん、チョコレートです」 俺は艦娘達からチョコレートをもらった。 他の事務員他裏方スタッフはチョコの代わりに喫茶店のスイーツ無料券をくれた。 これで鹿島をデートにでも誘えと言いたいのだろう。 「あ、これは大淀と足柄からの贈り物です」 「これは……」 袋の中は箱以外にボトルっぽいのもあるみたいだけど何だろう… 「そうそう。提督、私達は気の利いたお返しは望んでませんから。 鹿島さんへのお返しのためだけに気を利かせてくださいね」 「ありがとう」 「ところで鹿島からチョコレートを貰いましたか?」 「いや、まだだけど……」 「まだなのですか?ねえ、鹿島さん。どうして提督に一番にあげないの?」 「だってチョコレートをあげるにもタイミングがありますし…」 「あなたは午後からザラさん達を次の鎮守府まで護衛をするのでしょう」 「でもここからそんなに離れてませんから今日中には…」 「何かあって今日中にここに帰って来れなかったらどうするのよ。 さっさと渡してあげなさいよ!」 「は~い」 「不満そうな顔しない」 「別にあげたくないわけじゃありませんよ。タイミングというものが…………」 鹿島は少し不満そうだったが、一旦間を置いて、 笑顔で、でも少し恥ずかしがって緊張しながら 赤いリボンでラッピングされたピンクの箱を俺にくれた。 「ありがとう」 「どんなチョコレートでしょうかねえ。提督、開けて食べてみてください」 「い、今!?明石さん、ちょっと!?」 「鹿島さん、何を慌ててるんですか?」 「そ、それは…」 「今食べられてまずいことでも?」 「その……提督さんが食事を終えてからまだそんなに時間が…」 「甘いものは別腹というだろう。それだって限度はあるけど、 昼食も少なめにとったからチョコの一つや二つは大丈夫だ」 「………どうぞ……」 鹿島は観念したかのような顔だった。 一体なんでそういう態度を取るのかわからないけど、とりあえず俺は箱を開けた。 「これ、パンですか?形はシンプルにハートマークですけど色は茶色… っていうか珈琲の香りがしますよ」 「うむ……ああ、これはサンドイッチだな。中にチョコレートが挟まっている。 鹿島らしいアイデアだな。んじゃ、いただきます」 俺は鹿島の珈琲パンのチョコレートサンドを食べた。 「………どう……ですか…………」 「うん、おいしいよ。チョコレートはちょっと変わった味だけど別に妙な味ではないな。 甘さにくどさがなくてコクも柔らかさも調度良い。 それに珈琲の苦味がチョコレートの甘さを調度よく引き立てていておいしいよ」 「よかったぁ……」 「本当によかったですね鹿島さん。でも変わった味ってどんな味ですか?」 「どんな味って………栄養ドリンクっぽい気がしたよ」 「栄養ドリンク?ひょっとして鹿島さん、ユンケルでも入れましたか?」 「………うん……」 漣の問い掛けに鹿島が恥ずかしそうに答えた。 漣がユンケルと断定的に言ったのは 鎮守府がコラボしたコンビニでユンケルを買うと店舗ごとに先着十数名に 鹿島のタペストリーが貰えるキャンペーンが明後日からあるからだろう。 ちなみに鹿島がコラボした見返りにもらったというわけではなく、 ユンケルってどんなのかなあと思って試しに買ってみたらしい。 「あらら?冗談のつもりでしたのにまさか本当にそうだったなんて。 でも、入れたのはともかくとしてどうして今食べちゃ駄目だったのですか。 夜に渡そうとしてたみたいですし、ひょっとしてまさか…」 「あの、チョコレートは何を使いましたか」 このままだとたたならぬ事になりそうだったからか、 伊良湖が話を逸らそうと鹿島に話しかけた。 「何を使ったって…」 「レシピが知りたいんです。今後の参考にしようと思って… とりあえずチョコレートは何を使いましたか?」 材料やレシピが知りたいというのも伊良湖の偽らざる本心だろう。 彼女の料理人としての好奇心と向上心はかなりのものである。 「チョコレ~ト~は~明治」 「マージか」 「………………」 「………………」 つい駄洒落を飛ばしてしまったが、 みんなの顔を見るにどうやら通じなかったようだ。 「…………あっ、もうすぐ12時30分だ!早くしないと!」 壮絶に滑った俺は誤魔化すかのように言った。 実際に時間が迫っていたのもあったが、 状況が状況なだけに誤魔化したように思われてるだろう。 「あっ、そうね。もう行かなきゃ!伊良湖さん、レシピはまた今度ね」 「わかりました。それではお気をつけて」 俺達は別の鎮守府へ三人の艦娘と共に出発した鹿島達を見送り 午後からの仕事に取り掛かり始めたのだった。 午後六時。今日は日曜日であった為五時半頃に仕事を中断し、 恒例である笑点を見ながら夕食をとっていた。 もちろん緊急事態があればこんな事はしていられない。 「煮干しのお吸い物、どうでしたか?」 「大根に煮干しの出汁がきいていて中々だったよ」 「お口に合ってよかったです」 伊良湖はほっとした表情だった。 「でもどうして煮干しの出汁汁に大根だけなんですか?」 「今日はふんどしの日であり、煮干しの日でもあるからな」 「??……煮干しはともかく、大根と褌に何の関係が……」 「……昔とある勇者がふんどしともいえるような踊り子の服を見て興奮し、 仲間から落ち着けと言われてとった行動が 『ふんどし!』と言いながら大根を掲げた事だったんだ」 「はぁ……」 伊良湖はよくわかってないような顔だった。 元々みんなが知ってるような話ではない事くらい俺だってわかっている。 このネタがわかる奴はおっさんだろう。 「それにしてもずいぶんと元気になったな。 昼前までは少し暗かったが今はもう大丈夫みたいだ」 「日向や鹿島、ザラ達のおかげだ」 「私達のおかげ?」 「君達に言われた言葉とか、鹿鹿島の存在とか、 そういった事があって気を持ち直せたよ。 寄り道や回り道ばかりしていた俺にかけてくれた日向の言葉、 そして鹿島が俺にチョコを渡す時に言ったタイミングという言葉…… その二つが繋がって俺を前に向かせてくれた」 俺が鹿島と結ばれる事ができたのも言ってしまえばタイミング… その『瞬間』何をするかしないかの判断がよかったからだろう。 俺が一度は新泊地に着任する事になると知らされた時、 鹿島が勇気を出して俺をデートに誘い、 俺が怖じけづく事なく彼女の誘いに乗り、 そして互いの包み隠した気持ちのぶつかり合いの末に 勇気を出して本当の気持ちを伝え合い、そして結ばれた………… もし鹿島が本当の気持ちを打ち明けなかったら。 もし俺が怖じけづいて鹿島の誘いを断っていたら。 もし鹿島が俺を誘わなかったら。 もし俺が新泊地へ行かされると聞かされなかったら………… 小さい頃からの俺の数々の行動は数センチのズレとなって重なり合い、 幼い頃に思い描いていた幸せからは離れてしまったが それがなければ今ある幸せは手に入らなかったかもしれない。 数センチのズレを重ねて向かった今の幸せ… 一度数センチのズレを重ねてしまい幸せから遠ざかってしまったゆえに これ以上ズレてはいけないと思い、 懸命に動いた為に幸せから遠ざかるという過ちを繰り返さずに済んだ。 まあ結局新泊地へは俺が行く事はなく、 鎮守府提督という今に至るわけだが。 「かつての大平洋戦争は多くの悲しみを生み、あらゆるものを破壊した。 もし戦争がなかったら失われた芸術や文化、技術とかもなかっただろう。 だが戦争があったからこそ結果的に生まれたものだってある。 俺達とてあの戦争がなければこの世に生まれて来なかった可能性もある…… だからといって戦争を肯定できるものではない。 確かにその過去があったから現在というものがある。 だけど過去の出来事という変えようのないものは 肯定するものでも否定するものでもなく、 これからをどう生きるかという事を学ぶべきものだと思う。 日向が言った事、鹿島が言った事、 そしてザラが言った『鹿島が俺を信じている』という言葉…… それが俺を前に向かせ、今をどう生きていくかという事を教えてくれた。 暗い気持ちで生きるなんて俺を信じてくれる大切な人である鹿島を 俺が信じていないって事にはなりたくないしさ」 「……迷いは消えているみたいだな。今の君の目はとても輝いている」 「朝はすまなかったな日向。愚痴を聞かせてさ…」 「気にするな。君が立ち直ったならそれでいい。 鹿島には聞かせられないようなことだってあるだろうし、 何事も一人で抱え込んでいいというものでもない」 「ありがとうな。二人とも、今日はもう仕事を終わっていいぞ」 「提督、君はどうするのだ?」 「俺は鹿島が帰ってくるまで仕事をしているよ。 彼女が帰ってきた時に報告するべき相手がいないんじゃ可哀相だしさ」 「そうか。だが無理はするなよ」 「もしお腹が空いたら、私が何かお作りしますね」 日向達を見送った俺は再び仕事を始めた。 そして仕事をすること約3時間………… 「提督さん、鹿島、ただいま戻りました。 艦娘三名、無事送り届けました」 「ご苦労様だったな。おかえり」 鹿島が帰ってきたのは夜の9時だった。 「本日の仕事はこれで終了だ」 「お疲れ様です。これからどうしますか?」 鹿島が期待に満ちた目で俺を見つめていた。 「これって……コンドーム…ですよね……? それと……チョコローション……」 『夜戦』前に大淀と足柄がプレゼントしてくれた袋を 開けてなかった事を思い出して開けたが中身はこの二つだった。 「大淀さんに足柄さん……ナニを考えているんでしょう…… 家族計画は私たちが考えることなのに……」 「それだけ鹿島の力はここになくてはならないものだという事かもしれないな……」 「チョコレートの香りがするローションか… コンドームもチョコレートの香りがするらしいし……」 「……もしかしたら避妊どうこうというよりも コレで夜戦を楽しんでってことなのでしょうか?」 「そうかもな」 避妊とか感染予防が目的ならわざわざこんな事はしないだろう。 最初から普通のコンドームを普通に渡せばいいだけの話だ。 「……たまにはこういうのもいいでしょうね。 それじゃ私が付けてあげますから準備してくださいね」 「よし」 俺は彼女の下の口に食べさせようとずっと大きくなっていたチ〇コバナナの皮を剥いた。 「いきますね。ん……」 「おうっ!?」 「な、何か!?」 「いや、少し驚いただけだ…」 「えっちな漫画とかで見たことを真似してみようと思って…」 彼女がどんなエッチな漫画を読んでいるのかは知らないが、 俺が読んだ事があるようなエロ漫画ではほとんど… というか全くといっていいほど見ない。 ゴムを着けるシチュエーションさえもレアなのに 口でゴムを着けるなんて更にレアである。 「いけなかったかしら…」 「そんな事はない」 「よかった。それじゃもう一度…」 気を取り直した彼女は俺のチ〇コバナナにゴムを口で着けた。 チョコレートの香りがするゴムは色合いこそやや薄い茶色だったが、 俺のチ〇コバナナに被さっているのを見ると チョコプレッツェルを若干彷彿とさせた。 「美味しそう……」 物欲しげな目をしながら彼女は呟いた。 美味しそうと評した俺のチ〇コプレッツェル… …ボッキーを食べたくて彼女の口が涎を…… 「ん……ちょっとまだ……」 あまり垂らしていなかった。十分に濡らさないとマズイ。 こちらはゴムをしている以上カウパー液による潤滑効果にも頼れない。 「このローションも使ってみるか」 「使ってみましょ。せっかくのバレンタインなんですから」 プレゼントされたチョコローションが早速役に立つ。 俺は彼女の下の口にローションを注ぎつつボッキーにも満遍なく塗り、 彼女の下の口に指を入れて確認した。 一本………二本………三本…………行けるはずだ。 「俺のボッキー、存分に味わえよ」 「ええ、それじゃ、いただきますね」 にゅるりっ 「やんっ!?だからっていきなり…」 俺もここまでいきなり全部入れるつもりはなかったが ローションのおかげか予想以上にすんなりと入っていった。 もちろん今までの積み重ねも大きいだろう。 去年のクリスマス…彼女が全く男を知らなかった頃に 同じ事をしても初めての行為に緊張してしまってこうはならなかっただろう。 約二ヶ月近くの間に幾度も互いの愛を確かめ合ってきたからこそ 彼女は今こうして苦もなく俺を受け入れられるのだ。 「…あの…どうしましたか?気持ち良くありませんでしたか?」 「あ、いや、君があんな声をあげたからちょっと…」 確かに今までとは違って気持ち良さは感じにくい。 しかしそれはゴム一枚を隔てて触れ合っているからであり 決して彼女に問題があるわけではなかった。 「少し驚いただけです。痛くも苦しくもありませんから、どうか…」 「わかった」 彼女に請われて俺は早速腰を動かしボッキーを擦らせた。 にゅるっにゅるっにゅるっ 「やっ、いつもとちょっ…違っ…けど気持ちいいですっ!」 ローションのおかげかいつもより滑りが良い。 それに俺からしたら感覚を鈍らされてるようなものだが 彼女からしたらいつもと違う感覚という事だろう。 ならそれでいい。彼女が気持ち良くなっているなら俺の事など。 パンッ、パンッ、パンッ! 「いつもより…激し…です…っ…」 ローションが彼女への負担を減らしていた為、 俺の腰は欲望を全開にして激しく動いていた。 ゴムによる感覚の鈍りこそあったが、 いつもより激しいピストン運動による刺激が俺の性感を補っていた。 「ごめん、そろそろ…」 「くっ……いいです…先に…イッても………」 彼女のその言葉に俺の我慢は解かれた。 俺は無駄と知りながらも一番奥までボッキーを突き入れた。 どくんっ 俺は射精した。しかしチ〇コバナナはコンドームに包まれている為、 行き場のない精液がゴムの先端に溜まって… 「あ……びくん…びくん…ってして…… お腹の奥……あったかぁい……」 「え…」 俺は思わずボッキーを彼女から引き抜いた。 びゅるん、ポタッ…びゅるん、ポタッ… なんという事だ。ボッキーの先っぽが溶けていたかのように チ〇コバナナの中身が剥き出しになっていた…… ……要するにコンドームの先端が破れてしまっていて、 抜いたチ〇コバナナから放出された温かい特製ホワイトチョコが 彼女のお腹の上に吐き出されていた。 予想外の出来事に二人とも呆然とする事しか出来ず、 放出が終わった後も沈黙が支配していた。 「……ごめんなさい、私が練習もせずにえっちな漫画の真似をして コンドームを口で着けるなんて真似をしたからこんな事に……」 先に謝ったのは彼女の方だった。 「……よくよく考えたら俺達は結婚していたわけだろう。 コンドームが破れてしまって思わず動転してしまったけど 前々から何回も生でしていたわけだしさ」 「あ…………それもそうでしたね…………」 達した為に賢者タイムとなった俺は いち早く冷静になって彼女を落ち着かせた。 「……もう一回できませんか……今度は生でしてほしいです……」 「いいよ。君も俺もまだまだ不完全燃焼だろうしさ」 「いいんですか!?体は大丈夫ですか?」 「君がお昼にくれたユンケル入りの特製チョコの珈琲サンドイッチで、 今日の仕事も捗っていたし、『夜戦』だってまだまだ頑張れるさ」 「本当ですか?よかったぁ……」 彼女の安心した笑顔を見ていると 本当に彼女と結婚してよかったという事と これから頑張らなきゃという事を思った。 「艦娘はストレスが溜まりやすくて、 成長期の子達の成長が鈍くなることもありますけど 大人でも生理不順になって排卵日を特定できなくなっちゃいますから やれることはできる時にできるだけやっておきたいです。 あなたは一人っ子でしょう。だから、少しでも早く お義父様とお義母様を安心させてあげたいし……」 「俺もできる時ならしたい。さあ、本番……始めるぞ」 今日は2月14日だ。煮干しのように枯れ果てたって構わない。 俺達は恋人の日の夜戦を心行くまで愉しんだのだった。 《続く》 +後書き 685 :名無しの紳士提督:2016/02/14(日) 19 26 34 ID 9VTy/C22 以上です まさか鹿島に完全書き下ろしな限定グラが突発で来るとは思いませんでした どうにか限定グラの要素も話の中にちょこっと入れれました 16日からのローソンのフェアは深海棲艦との戦い以上の激戦となるでしょうね 提督とテンバイヤーの熾烈な争いが間違いなく起こるでしょう バレンタインの話なので当然ホワイトデーの話に続きます これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/